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株式上場制度の透明性高めよ

東京証券取引所が経営再建中の東芝を、上場廃止の恐れがある「特設注意市場銘柄」の指定から外した。会計不祥事で問題になった企業統治や内部管理体制が改善したと判断したからだ。

東芝の経営を巡る不透明な要素が1つ取り除かれたことは、同社の多くの株主にとってとりあえずは朗報に違いない。

しかし、半導体メモリーの売却が進み2018年3月期末に債務超過が解消されない限り、東芝の上場廃止リスクはくすぶる。東芝は売却に反対する米ウエスタンデジタル(WD)との係争を含め、売却の進捗状況に関する丁寧な情報開示を徹底すべきだ。

東芝の注意銘柄解除を巡っては、上場維持・廃止に関する制度の問題点も浮かび上がった。東証は改善策を検討してほしい。

この制度の最大の問題は判断の基準が曖昧である点だ。

東証は東芝を15年9月に注意銘柄に指定した。東証の委託を受けた自主規制法人が、約2年かけて同社の内部管理体制の改善ぶりなどを調査した。しかし判断基準がはっきりしないため、上場廃止の思惑で株価が乱高下することも少なからずあった。

投機的な取引を抑えるには、上場維持・廃止の予見可能性を高める必要がある。東証が最善と考える管理や統治体制の具体例を明示するのも一案だ。

もう1つの問題は、制度の運用が大企業を優遇していると疑われかねないことだ。

過去には中堅企業が注意銘柄に指定され、自主規制法人が速やかに上場廃止を決めたこともあった。確かに東芝のような大企業は調査項目が多い。しかし、審査があまりに長期にわたるようだと、東証が大企業を罰するのをためらっているとの思惑をよぶ。そうなれば、株式市場の信認も揺らぎかねない。

自主規制法人が上場維持・廃止を決めた理事会の議事要旨を一定の時間をおいた後に公開する、といった手だてを検討すべきだ。

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