2018年11月17日(土)

地方の自立促す具体策競え

2017/10/14 20:37
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安倍政権が地方創生を掲げ、2014年末に総合戦略を策定してから3年近くたつ。雇用情勢を中心に地方でも景気は上向いているが、現状をみる限り、政策効果が十分に上がっているとは言い難い。

政府は総合戦略のなかで、5年間で地方の若者雇用を30万人分創出し、東京一極集中を是正する目標を掲げた。具体的には当時、年間で10万人程度だった東京圏への転入超過数を、20年にゼロにする方針を打ち出している。

しかし、16年の実績をみると11万8千人と、一極集中の流れはまだ変わっていない。企業の本社機能の地方移転は思うように進んでいないし、政府機関をみても文化庁の京都移転などが決まった程度にとどまっている。

文部科学省は新たに東京23区における私立大学や短大の定員増を原則認めない方針を打ち出したが、地方大学の魅力を高めることが先だろう。若者の東京圏への流入は大学入学時よりも卒業後の就職時の方が多い。

安倍政権の5年間で、地方分権の優先度が低下した点も気がかりだ。政府は有識者会議を設けて一応、分権改革に取り組んではいるが、取り上げるテーマはこまごました内容ばかりだ。

分権なくして地域の自立はあり得ない。安倍政権は政権発足時には道州制基本法の制定を掲げていたが、今は棚上げしている。

各党が掲げた衆院選の公約をみると、希望の党が道州制の導入を明記している点が目を引く。道州制をかねて主張している日本維新の会との連携が狙いなのだろう。

しかし、希望の党の候補者の中心は民進党出身者だ。民進党は旧民主党時代に道州制を否定していただけに、ふに落ちない。

訪日客が増えるなど地方経済にも明るさはみえるが、地方の人口減少はこれからも続く。持続可能な自立した地域をつくり上げるには何が必要なのか、各党は具体策を競い合ってほしい。

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