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中国のネット安全法に日米連携で対処を

中国が施行したインターネット安全法への懸念が日米欧で強まっている。「サイバー空間の主権の維持」を目的として、中国で集めた顧客データの中国国内での保存や、海外に持ち出す際の当局の審査を義務づける内容だ。

中国当局の運用しだいで、外国企業の中国事業に大きな制約となる。世界貿易機関(WTO)の場を中心に日米欧が連携して対処する必要がある。

中国のインターネット安全法は昨年11月に制定、今年6月に施行された。日本の経団連を含む世界の54団体は5月に「世界経済に大きな影響を与える」と延期を求めたが、中国当局は拒んだ。

今のところ日米欧の企業から深刻な被害例は報告されていない。しかし、法律にはあいまいな部分が多く、データを扱う外国企業が中国でビジネスを続けにくくなるリスクは常につきまとう。

個別の国や企業が発言しても、中国は聞く耳を持つまい。大事なのは国際協調だ。第一歩として日米両政府は16日の日米経済対話の場で懸念を共有し、結束して対応する基本方針を確認してほしい。

実は米政府は今月のWTOの会合でこの問題を提起した。対米貿易黒字を抱える国に一方的な対抗措置をちらつかせてきたトランプ米政権が、WTOを使う姿勢を示したのはひとまず前進だ。日本はこの機を逃してはならない。

中国の法律が外国企業を狙い撃ちにしているならば、内外企業の無差別を求めるWTO協定に違反している可能性がある。中国当局が各国に何ら通報せず、中国独自の基準の採用を義務づける場合もWTO協定違反となり得る。

中国に法律の見直しを求め、必要ならば中国をWTOに提訴する。さらに事態が改善しない場合は足並みをそろえて対抗措置を講じる。そんな具体的な対処方針づくりを日米で始めるべきだ。

ビッグデータの時代にあって、国境を越えた自由なデータの流通は世界経済の成長の源泉だ。それを保証したことが、米国を含めた12カ国が合意した環太平洋経済連携協定(TPP)の意義の1つでもある。

米国がTPPから離脱したとしても、中国に「ルールに基づく自由で公正な貿易」を求めていくことは米国の国益のはずだ。日本は引き続きWTOの活用を米国に促しつつ、欧州を含めた共同戦線の足場を固めていってほしい。

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