与野党は同じ土俵で議論を

2017/10/12 23:36
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「政治とは何か」への答えはいくつもあるが、「ものごとの決め方である」というのも、そのひとつである。無数にある国民の考え方を選挙というフィルターを通じて集約し、最後は議会の場でひとつにまとめる。当然ながら、できるだけ幅広く意見を取り入れるのが、よい政治である。

昨今の政治はだいぶ様相が異なる。相手を罵り、悪者に仕立て、それと戦う自身を美化する。いわゆる「劇場型政治」に走る政党や候補者が増えている。

こうした傾向を正すにはどうしたらよいのか。政策本位で見比べて言動の矛盾を指摘するのもよいが、国会運営などで与野党がどう立ち回ったのかを振り返ってみるのも一案である。

今年の通常国会で、共謀罪の趣旨を盛り込んだテロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法が成立した。与党は参院で委員会採決を省き、じかに本会議に上程する「中間報告」という手法を使った。

過去に使用例はあるが、委員長ポストを野党が占めていて議事進行が滞った場合だ。ふつうの手続きで成立可能なのに、手間を惜しんだと思われても仕方がない。

野党が成立阻止のため、審議引き延ばしによる時間切れを狙ったのも邪道である。裁判所は近年、審理の長期化を防ぐため、論点を事前に整理する手続きがよく採用される。国会も見ならい、与野党が同じ土俵で議論できる仕組みを考えるべきだ。

衆院選の各党の公約を見比べると、統治機構改革に触れているものもあるが、議員定数の削減や一院制への移行など、すぐ実現しそうにないものが多く、議論が深まっているとは言い難い。

森友・加計学園を巡る国会審議は与野党双方にとってすっきりしないものだった。こうした疑惑を解明するための政治倫理審査会は、10年近く開かれたことがない。政治不信を放置することは、与党にも野党にも利益にならない。

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