2019年3月21日(木)

グーグルが変えるものづくり

2017/10/7 20:31
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米グーグルが台湾のスマートフォン大手、宏達国際電子(HTC)から事業の一部を11億ドル(約1200億円)で買収することを決めた。IT(情報技術)機器の開発や生産に携わる約2千人の技術者をHTCから受け入れる。

背景にはITの応用分野が家電や住宅設備、自動車などに広がり、スマートフォンで培った技術を幅広い領域で活用できるようになった事情がある。経営にスピード感があるIT企業が事業の範囲を拡大しており、日本の製造業も対応を急ぐべきだ。

グーグルは社内に機器の開発部門を設け、人工知能(AI)を利用したスピーカーや、自動翻訳機として使えるイヤホンなどを製品化した。グループ企業は家電や住宅設備をネットを通じて制御する「スマートホーム」の機器や、自動運転車の開発も進めている。

IT企業は意思決定や開発が迅速で、日本でも対話アプリのLINEがAIスピーカーを1年足らずで製品化している。日本の製造業もこうした流れを踏まえ、開発や生産のスピードを上げる必要がある。

まず大切なのは顧客が求めている機能や品質をよく見きわめることだ。日本企業は過剰品質に陥りやすく、製品の発売が遅くなりがちだ。

次に、社外の技術を活用することだ。すべてを社内で一から開発しようとすると、時間がかかる。すでに他社が開発しているものは柔軟に取り入れ、魅力的な製品を短期間でつくることが求められている。

デジタル技術の活用も欠かせない。コンピューターによるシミュレーションや3Dプリンターを使った試作をさらに増やし、デジタル技術の利用で先行する競合企業との差を縮めなくてはならない。

こうした取り組みの一部はすでに始まっているが、まだ不十分だ。自動車や工作機械といった競争力を保っている分野で日本企業が勝ち抜くためにも、開発や生産を速める体制を整えるべきだ。

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