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過重労働の是正促す電通裁判

2017/10/7付
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 社員に違法な残業をさせたとして、法人としての電通が罪に問われた裁判で、東京簡裁は求刑通り同社に罰金50万円を言い渡した。

 違法な長時間労働を放置してきた会社の責任の重さは、罰金の額の比ではあるまい。電通は社会的信用も大きく損なわれた。過重労働の是正は企業の責務であることを、広く経営者は自覚すべきだ。

 電通の事件では2015年12月に過労自殺した女性新入社員らへの労務管理が労働基準法違反罪に問われた。判決は社内で違法残業が広がっていた実態を認めた。

 違法残業は書面審理の略式裁判になるのが一般的だが、今回は裁判所の判断で、公開の法廷で審理する正式裁判になった。司法の場でも過重労働がこれまで以上に問題視され始めた表れといえる。

 電通では法定労働時間を超えて社員に働いてもらうために会社と労働組合で結ぶ協定が、無効の時期があったことも明らかになっている。労組の加入者が従業員の過半に達せず、協定成立の条件を満たしていなかったためだ。

 長時間労働は当たり前という考え方が、ずさんな労務管理につながっていたのだろう。同社では1991年にも入社2年目の男性社員が過労で自殺している。社風などの問題は根深いと言わざるを得ない。改革には経営トップによほどの覚悟が求められる。

 17年版の過労死白書によれば、雇用されて働く人の7.7%が週あたり20時間以上の残業をしている。月あたり80時間を超える残業は過労死の労災認定の目安になり、命にかかわりかねない過重労働の人が一定程度いるのが実態だ。NHKで女性記者が過労死していたことも明らかになった。

 どの企業・団体も長時間労働の是正に本気で取り組むときだ。不要な仕事がないか業務の見直しや、IT(情報技術)活用による効率化を大胆に進める必要がある。日本の正社員は職務が曖昧で、これが長時間労働につながっているとの指摘もある。職務の明確化を含め、やるべきことは多い。

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