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増税凍結と原発ゼロだけでは無責任だ

2017/10/7付
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 希望の党が衆院選の公約を発表した。消費増税の凍結と原発ゼロを看板政策に掲げたが、新たな財源や代替電力をどうするかは詳しく説明していない。政権交代を目指す以上は、政策実現に向けた具体的な道筋や経済への影響をどう抑えていくのかも有権者にきちんと示す責任がある。

 党代表の小池百合子東京都知事は6日に記者会見し「タブーに挑戦する気持ちで思い切った案を公約に盛り込んだ」と強調した。

 公約は2019年10月に予定する消費増税について「一般国民に好景気の実感はない。消費税10%への増税は、一度立ち止まって考えるべきだ」と指摘した。

 増税の前提として議員定数や報酬の削減、公共事業の見直しに言及。「300兆円もの大企業の内部留保への課税なども検討し、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の改善を図る」とした。

 国会や行政の「身を切る改革」は不断に取り組むべき課題だが、一般会計予算の3分の1を占める社会保障費の安定財源にはなり得ない。内部留保課税は企業が法人税を払って蓄積した資本への二重課税になり、経営の自主性や国際競争力を損なう恐れがある。

 エネルギー政策は「30年までに原発ゼロを目指す」と明記し、発電に占める再生可能エネルギーの比率を30%まで向上させて省エネを徹底するとした。風力や太陽光は天候に左右される。コスト増による産業や家計への影響をどう抑え、地球温暖化対策といかに両立していくかも難しい課題だ。

 公約は冒頭で「既得権益、しがらみ、不透明な利権を排除し、国民ファーストな政治を実現する」との理念を掲げた。「アベノミクスは、民間活力を引き出す規制改革が不十分だった」といった指摘はその通りである。憲法改正や安全保障政策を積極的に議論していく姿勢にも期待したい。

 新党だからこそ打ち出せる清新な政策への期待度は高い。しかし現状への厳しい批判が説得力を持つのは、建設的で実現性のある対案があってのことだ。

 増税先送りや福祉の充実ばかりを訴えるのなら、欧米に目立つポピュリズム政党の後を追うことになりかねない。希望の党は選挙戦での政策論争を通じて、そうではないと証明してほしい。

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