2017年12月14日(木)

質を競う監査法人の再編に

2017/10/5 23:29
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 中堅の監査法人である太陽監査法人(東京・港)と優成監査法人(東京・千代田)が、2018年7月をめどに合併することで基本合意した。業務収入などの面で大手4法人を追う、準大手規模の監査法人が誕生する。

 日本では大手4法人が時価総額ベースで9割以上の上場企業を監査している。寡占とも言える状態が監査の規律を緩ませ、オリンパス東芝などで起きた会計不祥事の背景にもなっている、といった指摘は少なくない。

 太陽と優成の合併が監査業界の競争を促し、監査の質の向上につながることを期待したい。

 上場企業の監査数でみると、太陽は144社と大手の一角であるPwCあらたの122社を上回っている。合併後の新法人の監査企業数は200社近くに増える。監査業界での存在感は高まろう。

 合併発表に際して太陽の山田茂善総括代表社員は「会計士の数は合併時に約500人になる。5年後をめどに800人規模に増やしたい」と述べた。

 より多くの大企業を監査するために陣容を広げることが必要なのは確かだ。一方で、不正を見抜いて投資家から信頼される監査を実行するには、人員など規模の拡大だけでは不十分だ。

 何よりも、グローバルな監査体制の構築が急がれる。太陽は国際会計事務所のグラントソントンと提携している。こうした国際的な提携先と不正発見のノウハウや監査情報を共有することが、海外に多くの拠点を持つ大企業の監査には不可欠の条件となる。

 情報投資も重要だ。膨大な財務データの精査に人工知能(AI)を活用するのは、世界的な潮流となりつつある。合併を機に管理部門を合理化し、浮いた経費を技術開発にふり向ける、といった対応が必要だろう。

 もちろん、グローバル化と技術開発は大手にとっても喫緊の経営課題だ。中堅法人の再編劇は、日本の監査の将来を見通すうえでも重い意味を持つ。

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