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サービスの国際標準化推進を

これまで国際標準といえば、対象は技術やモノ(製品)が中心だったが、最近は「サービス」や「社会システム」についても国際標準化をはかる動きが活発だ。サービスやインフラ事業の世界展開を加速するためにも、日本の官民は新分野の国際標準化に積極的に取り組む必要がある。

先行事例として注目したいのが、小口の保冷配送サービスをめぐるヤマトホールディングスの動きだ。同社は鮮魚や野菜を冷やしたまま届ける「クール宅急便」を約30年前に日本で始めた。同様のサービスをアジア各地で展開するに際して、日本で培った鮮度管理の方式や日々の配達状況のチェックの仕組みを体系化し、国際標準化しようとしている。

すでに英国の標準化団体での規格化に成功したほか、経済産業省や国土交通省の協力も得ながら、最も有力な標準化組織である国際標準化機構(ISO)における規格化もめざしている。

国際規格をつくり、それを取得する利点は信頼の確保だ。アジア各地で保冷宅配を手がける業者が現れているが、なかにはサービス品質の管理が不十分で、クーラーボックスの氷が溶けたまま運んでいるような例もあるという。

その中で「当社のサービスは国際規格に適合している」というお墨付きを得れば、それが信認の証しになり、消費者が安心して使えるようになる。各国の衛生・運輸当局の信用も高まり、日本発のサービスが国際展開する際の一つの強みにもなるだろう。

標準づくりの主役は個別の企業や業界団体だが、政府もその動きを後押しすべきだ。経産省は技術や製品を対象にしてきた日本工業規格(JIS)の間口を広げ、あらゆるモノがネットにつながるIoT活用サービスなどにも範囲を拡大しようとしている。

国際規格づくりで先行する欧州は鉄道システムなどの世界標準を握り、それが競争優位の源泉になっている。日本も官民が連携した戦略的な取り組みが欠かせない。

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