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企業は賃上げで好循環を促せ

2017/10/3付
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 日銀が2日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断指数が10年ぶりの高水準となった。中小企業・全産業の同指数も26年ぶりの高さで、企業の景況感の改善が鮮明になった。

 人手不足などの課題もあるが、好調な企業収益の改善を、所得増加、個人消費の押し上げという好循環につなげるには、企業の積極的な賃上げが欠かせない。

 大企業・製造業で景況感が大きく改善したのは、円安、輸出の改善を追い風に、電気機械、業務用機械などの業種で業況が大きく上向いたからだ。

 景況感の改善は、大企業から中堅・中小企業まで裾野が広がってきている。2012年12月から始まった今の景気拡大局面は9月で58カ月目に達し、戦後2番目の長さになったもようだ。

 日銀の大規模な金融緩和と円安・株高の進行に加え、米欧や中国など世界経済も堅調なことが、企業収益の改善を起点とした緩やかな景気拡大を支えている。

 それでも、なかなか個人レベルで景気回復の実感がわかないのは所得の伸びが鈍く、消費の大幅増加に結びついていないためだ。

 日銀短観の雇用人員判断指数をみると、企業の人手不足感は一段と強まっている。雇用の逼迫を反映して非正規社員の賃金は上昇しているが、正社員の賃金の伸びはまだ鈍い。日銀の掲げる2%の物価目標になかなか届かないのも、賃上げが進まないことが一因だ。

 北朝鮮情勢をめぐる地政学リスクや、米欧の金融緩和の出口の行方など経済の先行きをめぐる不透明材料を数えればきりはない。

 ただ、景気拡大をさらにしっかりさせるには、企業がリスクをとって投資をして、利益を従業員にしっかりと配分することが不可欠である。

 政府は公共事業などの需要追加策ではなく、企業に新たな投資や事業の機会を開く規制改革や、生産性向上につながる雇用市場改革にもっと力を入れるべきだ。

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