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「固形せっけん国内首位」牛乳石鹸共進社(関西企業のチカラ)
時間7倍かけ製造、質重視

2017/10/3 2:19
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洗面所や温泉で一度は見かけたことのある牛のマークが目印の「牛乳石鹸」。創業から100年以上にわたり、独自の製法で国産のせっけんを作り続けているのが牛乳石鹸共進社(大阪市)だ。固形せっけんで国内シェア首位。近年は液体せっけんが普及するが、技術力を生かした化粧品などを取りそろえている。

良質な石鹸づくりには熟練職人のノウハウが欠かせない
(大阪市鶴見区)

良質な石鹸づくりには熟練職人のノウハウが欠かせない
(大阪市鶴見区)

直径4メートルもある大型の釜が11基、ずらりと並ぶ。同社の安田工場(大阪市鶴見区)はせっけん工場として国内最大。年間1億個以上の固形せっけんを生産する。

創業以来、守り続けているのが「釜だき」と呼ばれる製法だ。牛の脂など天然の油脂を水、水酸化ナトリウムを加えて反応させる。その後、食塩水を加えて、せっけんと不純物に分ける「塩析」という作業を繰り返す。塩の加減など各工程で熟練の技術が必要だ。

固形せっけんは反応機で中和させる製法が一般的で、工程は1日程度。同社の製法だと1週間かかるが、「時間をかけてでも品質にこだわる」と宮崎悌二社長(42)は話す。肌への負担が少ないせっけんはこうした技術の積み重ねで生まれる。

創業は大阪・天王寺。空襲で工場は全焼したが、戦後に量産体制を築いた。だが1990年代に転機が訪れた。量を売ることを追い求め製品を増やしたが、逆に売れ残りが増えて業績が悪化した。現在は種類を絞って商品を育てる方針に改めた。

固形せっけんが事業の柱だったが、現在は売上高の約5割を液体せっけんが占める。主要顧客は40~50代だが、固形せっけんなどになじみが薄い若い世代に認知度を高める活動を続ける。

近年はシンボルの牛のマークや赤や青の箱を活用し、異業種と組んだ販促も展開。社員が小学校に出向き、手の洗い方などを教える活動も始めた。製品名の「牛乳」の由来は経営の考え方を示す「商いは牛の歩みのごとく」に由来する。前に進んでも後ろに退かない堅実な経営を意味する。宮崎社長は「地道な活動が将来のファンを増やすことにつながる」と話す。(川上梓)

■トップの一言 若い世代にも化粧品など訴求

2019年に創業110周年を迎える。宮崎悌二社長は「老舗だからといって意識することはない。ブランドに固執せず、愛される製品づくりを一番に考える」と話す。

重視するのは売上高の9割超を占める国内だ。「好みが多様化し、メガヒット製品は生まれにくいが、せっけんで培った技術を生かせるチャンスがある」と話す。なじみのある40代以上だけでなく、若い世代にも化粧品などをアピールして新市場を取り込む。

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