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新iPhone、注目すべきはAR アプリ開発者に可能性
藤村 厚夫(スマートニュース執行役員)

2017/10/2付
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 すでに全世界で12億台を出荷したとされるアップルのスマートフォン(スマホ)の新製品が発売される。従来機種の改良版「iPhone 8」は先ごろ発売ずみだ。さらに、誕生10年目を意識し、「進化」を打ち出した次世代機種「X(テン)」も11月に発売される。

iPhoneXが話題を呼んでいる=AP
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iPhoneXが話題を呼んでいる=AP

 そのXの進化の度合いがどうかが注目されるが、一覧表的な機能比較なら、Xの革新性は決して印象的ではない。すでに仕様から明らかなように、有機ELを用いたこれまで以上に高精細な全画面ディスプレーと、「フェイスID」と呼ぶ、人工知能(AI)を活用した顔認証が特徴だが、全画面ディスプレーも顔認証も、ライバルの「アンドロイド」スマホでは、従来もサポートされており、搭載機種もある。

 今回の製品群の真価は、従来にも増してソフトウエアに中心があるとみるべきだろう。

 アンドロイドでは、ソフトウエア会社であるグーグルが、スマホ向け基本ソフト(OS)と人気アプリを提供し、ハードウエア部分は各メーカーが受け持つ「分業制」で多品種化してきた。iPhoneの場合、ソフトとハードをアップル1社が提供する。仕上がりの完成度や高級感など「使用体験」で特徴を打ち出してきた。

 今回の新製品にあわせてその使用体験を大きく変化させるかもしれないソフトを、アップルは搭載してきた。スマホ向けOS「iOS」に含まれるAR(拡張現実)ソフト開発基盤「ARキット」だ。

 ARキットを利用すると、画面に表示される現実に仮想の物体を重ね合わせて表示できる。カメラだけでなくiPhoneに搭載される数々のセンサーとAIチップが連携してこれを高い精度で行うのだ。

 画面上で家具などの物体を採寸し、目的の部屋に置いてみたりできる、実用的なアプリを簡単に開発できる。平面などを識別して物体を弾ませるといった動きのある表現もできる。他人と共有することもできるため、ある場所に、ARとして制作した物体を置けば、iPhoneを通じて、多くの人々がさまざまな角度からそれを鑑賞したりもできるはずだ。

ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年から現職。東京都出身。

ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年から現職。東京都出身。

 すでに書いたように、個々のアプリでなく開発者向け基盤として提供されていることがポイントだ。これにより、開発者にとって数億もの稼働台数を誇るARの巨大な市場が誕生するわけだ。今後は、ARを取り入れたアプリが膨大な規模で誕生するかもしれない。

 「ポケモンGO」のようなARゲームにとどまらない。たとえば「イケア プレイス」アプリは、同社の家具カタログをAR対応にした。2000もの家具から好きなものを選んで自宅の部屋に置いて相性を確かめることができる。

 ほかに有望分野の一つが「AR広告」だろう。販促効果のあるキャラクターをリアルな店舗に出現させ、店舗の誘客に用いるアトラクションなどが広がる可能性がある。

 課題は、これだけ可能性のあるプラットフォームを、アップルが「エコシステム」へと育てられるかだ。かつてiPhone専用に高度な表現が可能な広告基盤「iAd」を立ち上げたが、失敗。その後も「Homeキット」や「ヘルスキット」など開発者向けに繰り出してきたが、成功していない。アップル以外の開発者も潤えるか。次世代機種の評価軸だろう。

[日経MJ2017年10月2日付]


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