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成功する企業が策定する戦略に5つのポイント
レランサ社長 スティーブン・ブライスタイン氏

2017/9/28付
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 成功している企業はどのような手法を用いて戦略を構築しているのでしょうか。私が知っている事例をもとに、5つのポイントにまとめてみました。企業の戦略に関する常識にとらわれずにお読みください。

米国ボストン市生まれ。戦略コンサルティング会社、レランサ(東京・千代田)の社長。国際経営学修士(MBA)とコンピューターサイエンス博士号を取得。

米国ボストン市生まれ。戦略コンサルティング会社、レランサ(東京・千代田)の社長。国際経営学修士(MBA)とコンピューターサイエンス博士号を取得。

 まず指摘しておきたいのは「どのビジネスを排除するのかを決める」ことです。農家が新しい作物を栽培するときには、どこかの土地を更地にします。ビジネスを成長させたい場合も、最初にそのための余地をつくり出すことが必要です。企業のビジョンに近づくことに役に立たないようなビジネスであれば、それがいくら利益を出すものであっても、容赦なく切っていくべきです。

 みかど協和(千葉市)の酒井隆子副社長は、業績を出している農業生産関連ビジネスを削減し、同社の強みである種苗に力を注ぐことを決めました。営業やマーケティングのスタッフが競争力の高い種苗事業に力をそそげるようになり、業績が急速に伸びました。

 2つめのポイントが「まず行動し、後から賛同を得る」です。まず新しいやり方を取り入れてその効果を体験させる手法は、賛同を得てから導入するよりも高い説得力や効果があります。

 楽天の三木谷浩史氏は社内をグローバルビジネスに適した環境にするため、7年前にミーティングやコミュニケーションにおける共通言語を英語にしました。導入した直後は社内外から批判が寄せられましたが、今では社内のコミュニケーションの約80%が英語で行われているそうです。

 もし三木谷氏が社員の賛同を得てから実行するという方法を選んでいたならば、今でも賛同を待っているような状態だったかもしれません。

 3つめが「完璧さよりもスピード」です。どれだけ多くのデータを集めて分析しても、完璧な戦略はできません。戦略決定の多くは「おおむね正しい」というレベルであり、実践するときにある程度の調整が必要になります。成功するにはそれで十分なのです。

 完璧さにこだわって戦略作成に時間をかけてしまうと、ビジネスの成長が遅れたり、競合企業に出し抜かれたりする可能性が出てきます。人は時に誤りを犯しますが、決定を先延ばしにすることは100%致命的な誤りになります。

 4つめが「競合相手の分析をやめる」です。自社の戦略を考えるときに競合相手の動きを重視すると、気づかぬうちに相手の土俵で戦わされてしまうことになります。

 画期的な戦略をつくるには、競合相手のことは忘れましょう。自社の強みに基づいて市場と業界を定義し、自分たちのやり方でライバルに競争させるのです。常に他社に自社を分析させるように仕向けましょう。

 最後は「未来は予想するのではなく、創造する」です。戦略とは、予想できてしまえるような将来を描くものではありません。将来のビジョンを掲げ、そのためにこれから何をすべきなのかを考えるべきなのです。ビジョンがいくら到達不可能に見えたり、達成方法が不明だったりしても関係ありません。

 ある金融サービスビジネスでは「監督官庁が許可するとは思えない」といった思い込みによって画期的な金融商品の開発をストップさせてしまうことがよくありました。ところが、その会社のトップが金融商品のアイデアを監督官庁の担当者に話したところ、彼らはその商品が消費者の利益になると考えていることがわかりました。

 大胆なビジョンを軽率に却下してしまうことは避けるべきです。無理をしなくても達成できると感じるような戦略は、大胆さに欠けています。戦略とは企業の成長を後押しすべきものなのです。あなたと、あなたの周りの人たちの世界観を変えるぐらいのインパクトを持つ。それが戦略です。

[日経産業新聞2017年9月28日付]


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