2018年7月22日(日)

学校現場の疲弊を防ぐには

2017/9/27 2:30
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 ブラック企業まがいの長時間労働の実態を重く受け止め、教員の働き方改革を進めてほしい。授業の充実という本来の職務に専念できる環境を整えるべきだ。

 文部科学省の調査では、過労死の危険が高まるとされる月平均80時間以上の残業を強いられる公立学校の教員が中学校で約6割、小学校で約3割に達した。自宅への持ち帰り仕事を含まない数値だ。

 特に中学では部活動の負担が大きい。本来、任意の課外活動だが、顧問を全員が務める学校がほとんどだ。国や教育委員会の各種調査への対応などにも忙殺され、授業の準備という最も大切な業務に支障がでている。本末転倒だ。

 タイムカードなどで教員の毎日の退勤時間を記録している小中学校は3割に満たない。学校現場、教育委員会が勤務実態を把握していないこと自体が異常だ。その原因のひとつは法制度にある。

 公立校の教員の時間外労働の割増賃金は労働基準法の対象外だ。「教職員の給与に関する特例法」は、「残業代や休日出勤手当を支給しない」と定める。一方で、給与額の4%を実質的な超勤報酬として一律に支給する。時間管理は不要、との慣習を生む一因だ。

 同法は、40年以上前の教員の勤務実態を参考に施行された。近年の多忙な学校職場の実態にそぐわない。文科省は、部活動休養日の導入、外部の部活指導員や事務専門職員の配置など、当面の緊急対策を打ち出した。だが、今後は同法の見直しも検討課題となろう。

 欧米の公立校の多くでは、教員の仕事は基本的に授業とその準備だ。日本では、教員は授業だけでなく給食を一緒に食べ、掃除の監督をし、部活の顧問もする。あらゆる活動を通じて児童・生徒の人格形成に関わり、指導するという学校文化が底流にある。

 一概に否定するのは難しいが、全教員に押しつけるのには無理がある。タイムカードの導入という表面的な対策にとどまらず教員の本来業務は何か、という議論を家庭、地域を含めて深めてほしい。

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