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4期目迎えるメルケル独首相の試練

2017/9/27 2:30
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 ドイツの連邦議会(下院)選挙でメルケル首相率いる中道右派の与党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党となり、首相の4選が確実になった。

 議席を大きく減らし、連立政権づくりも難航する可能性があるなど、多くの課題を抱えての勝利だ。排外的な政党が第3党に躍進したことも不安を呼んでいる。

 ポピュリズム(大衆迎合主義)の波が欧米各国を揺さぶる中で、ドイツは比較的安定しているとみられていた。選挙で示された変調の芽をどう克服し、欧州のリーダーとして存在感を示すか、メルケル首相の手腕が改めて問われる。

 ドイツ経済は12年間に及ぶメルケル政権下で大きく改善した。失業率は3%台に下がり、財政は黒字化した。そうした経済面での実績や、手堅く安定感のある政権運営が首相への根強い信任につながったとみられる。

 一方で、長期政権のもとで求心力の低下も隠せず、難民問題への不満も影を落としたようだ。

 第2党の中道左派、ドイツ社会民主党(SPD)は連立政権の中にあって明確な差異を打ち出せず、歴史的敗北を喫した。二大政党の得票率がそろって下がり、中堅政党に票が流れたことは、ドイツでも既存の大政党への不満が増えてきたことを示している。

 なかでも懸念されるのは、難民やイスラムの排斥を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が初めて議席を獲得し、二大政党に次ぐ地位に躍り出たことだ。旧東独地域で高い支持率を得ており、ドイツ政治の不安定要因になりそうだ。

 メルケル首相は親ビジネスの自由民主党(FDP)、緑の党との3党連立を探る見通しだ。ユーロ圏の改革などの問題では立場の違いがあるとされ、次期政権は波乱含みの船出となる可能性がある。

 同じ日に実施されたフランスの上院選で、マクロン大統領率いる政党グループは振るわなかった。独仏は欧州連合(EU)の中核だ。両国は結束を緩めることなく、ユーロ圏の統合深化などのEU改革を進めることが大切だ。

 停滞する英国のEU離脱交渉の打開も含め、メルケル首相の政治指導力が欠かせない。

 緊迫する北朝鮮の核・ミサイル問題でも欧州の協力は重要だ。日本政府はメルケル政権との連携を深め、北朝鮮への国際的な包囲網を強めていく必要がある。

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