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公文書管理は政策決定過程わかるように

2017/9/25 2:30
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 政府の決定は正しかったのか。検証するには、途中経過を知る必要がある。ところが、記録が残っていないという事例が相次いだ。公文書管理法が制定されて8年にもなるのに、趣旨が徹底されていないのは行政の怠慢である。

 政府の「行政文書の管理の在り方に関する検討チーム」が報告書をまとめた。公文書作成のガイドラインの見直しに向け、(1)行政機関内部の打ち合わせ(2)行政機関と外部との折衝――についても文書を漏れなく作成し、日付や作成者も明記することを提言した。

 保存期間1年未満とされる担当者のメモ程度の行政文書をどう取り扱っていくのかも、公文書管理委員会で明確にするよう促した。

 役所の中でどんな議論がされていたのかは、政策決定をたどる際の重要な手掛かりになる。公務員のメモは公的な記録であり、きちんと保存し、必要に応じて公開する仕組みを整えるべきだ。

 検討チームの報告書には、やや心配になる記述もある。「正確性の確保」のため、記録作成時に「複数の担当職員による確認」「相手方発言部分を確定しがたい場合、その旨を判別できるように記載する」などを求めた点だ。

 文書の中身が不確かでは困る。それはそうだが、わざわざ言及したのは、森友学園や加計学園に関する疑惑を巡り、安倍政権に不利な内容を記した文書が出回った経緯を踏まえてのことだろう。

 報告書に沿って、ガイドラインの見直しが行政にありがちな「よらしむべし、知らしむべからず」という傾向を一段と加速することのないよう、注視したい。

 安倍政権になって、閣議の内容が首相官邸のホームページで公開されるようになった。だが、記載されているのは、国会に提出する法案の一覧などであり、首相や閣僚が何か発言したのかどうかなどはさっぱりわからない。

 公開されるようになってからは閣議内容を政府に尋ねても「ホームページが全て」と答えることが多く、情報公開の名を借りた情報封鎖になっている。

 政策判断の結論を詳しく解説することも大事だが、どんな選択肢があったのかなどもわかるようにしなければ、説明責任を果たしたことにはならない。行政は国民の税金で運営されている組織である。そこでの記録は国民の所有物であるとの認識に立って、公文書の管理に当たってもらいたい。

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