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監査改革に投資家の視点を

企業会計審議会(金融庁長官の諮問機関)が会計監査の見直しに関する議論を始めた。東芝の会計不祥事などをきっかけに、財務諸表の確かさを保証する監査への信頼は揺らいでいる。市場関係者の幅広い意見を反映させ、国際的にも見劣りしない監査制度の確立を目指してほしい。

これまでの監査改革では、ともすれば企業や監査法人の利害に左右されることが少なくなかった。資本市場のインフラとしての監査の質を高めるには、実際に財務諸表の情報に基づいて債券や株式を売買する投資家の視点を生かすことが不可欠だ。

改革の議論の対象となるテーマはふたつある。

ひとつは監査報告書の内容を充実させることだ。現在は監査法人が報告書に「適正」や「不適正」といった結論だけを記載する。企業買収から生じる「のれん」の減損や、訴訟で抱えうる賠償の負担といったリスクに関する言及はなく、投資家は監査の実態がつかみにくかった。

こうした問題を解消するため、監査報告書の中で減損など将来起こりうる事象について記載する案が検討されている。

もうひとつは監査法人を一定期間で強制的に交代させる制度だ。過去の会計不祥事の反省として、ひとつの監査法人が同一企業を長く担当するとなれあいが生じかねない、との指摘がある。一定期間で監査法人を交代させれば緊張関係が保たれ、粉飾の抑止につながるとの考えも聞かれる。

監査報告書の内容充実や監査法人の強制交代制は欧州連合(EU)で始まっている。一方、米国やアジアでは賛否がなお交錯している部分がある。日本市場の監査の質を上げるには、欧州だけでなくて米国やアジアの実態も視野に入れ、国際的に整合のとれた制度としなければならない。

日本市場では世界中の様々な投資家が売買に参加している。彼らを議論の場に招き、生の声を聞く機会を設けるべきだ。

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