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新型iPhoneが問う日本の競争力

2017/9/24 2:30
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 米アップルがスマートフォン「iPhone」の新製品を発売した。スマートフォンは世界各地で普及が進み、市場の成長率は鈍っている。それでも毎年15億台近くが売れる製品であることに変わりなく、電子部品や素材といったメーカーへの影響は大きい。

 日本企業はスマートフォン本体では競争力を高められなかったが、その部品の生産と供給では重要な役割を果たしてきた。ところが最近は海外のメーカーに競り負ける事例が増えている。巻き返しを急ぐ必要がある。

 アップルが2007年に発売した最初のiPhoneでは、原価に占める日本の部品の割合は30%程度あったという。それが足元では15%程度に落ち込んでいるとの見方が、専門家の間では強い。

 11月に売り出す高機能機種は高精細な有機ELディスプレーに韓国製を採用した。顔認証システムでは台湾メーカーの部品を多く使っているようだ。

 存在感が下がっている理由のひとつは技術開発力の低下だ。スマートフォン向けの有機ELディスプレーは韓国のサムスン電子がいち早く安定供給にこぎ着けたのに対し、シャープジャパンディスプレイは出遅れた。研究開発費の分配にメリハリをきかせるといった取り組みが必要だ。

 もうひとつは供給能力の問題だ。カメラに使う画像センサーの大手であるソニーや、積層セラミックコンデンサーと呼ぶ部品で世界シェア首位の村田製作所は、思い切った投資で供給能力を高めてきた。だが適切な時期に増産投資に踏み切れなかったメーカーは少なくない。現場への権限委譲などで意思決定を速めるべきだ。

 提案力も強化する必要がある。半導体で高い競争力を持つ米国などのメーカーは、将来必要となる技術を先読みして提案する能力を高めている。アジアのメーカーは語学が堪能で技術に詳しい社員を多く配置し、高度な提案ができるようにしてきた。

 日本メーカーも人材の育成を急ぎ、必要に応じて外部からも採用すべきだ。営業と開発など社内の異なる部門間で連携を深めることも提案力を高める近道となる。

 今後、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」が普及し、自動車や産業機械といった分野でも電子部品の需要が高まるのは確実だ。成長市場を取り込むためにも競争力の回復を急ぐべきだ。

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