2018年9月24日(月)

非正規の処遇を見直す機会に

2017/9/22 2:30
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 日本郵便の契約社員3人が、正社員と同じ仕事なのに手当や休暇に格差があるのは違法だとして待遇改善を求めた裁判で、東京地裁は原告に住居手当などがないのは不合理で労働契約法に違反するとの判決を出した。

 正社員と非正規社員の待遇格差は合理的な説明ができなければ認められない、との考え方を示したものだ。非正規社員の処遇をめぐる企業への警鐘といえる。

 判決では、正社員は長期雇用を前提としており、会社に定着してもらうには非正規社員との間で待遇に差を設けることも認められるとした。仕事の幅の広さや配置転換の有無といった違いを踏まえると、賞与にあたる手当などの差は不合理ではないと判断した。

 しかし、転居を伴う異動がない一般職の正社員に住居手当があるのに、契約社員に支給していないのは不合理だとした。非正規社員と勤務条件が近い正社員との比較で、待遇の差の合理性を見極めようとした点は注目される。

 年末年始の勤務手当や有給の病気休暇などで契約社員を対象外としていることについても、合理的な理由は見当たらないとした。

 仕事が同じなら手当を含む賃金も同じにする「同一労働同一賃金」が日本でも広がろうとしている。狙いは不合理な待遇の差の解消にあり、判決はこの考え方に沿ったものといえよう。

 企業は正社員と非正規社員の処遇の違いについて、理由を説明できるか点検すべきだ。政府が導入をめざす同一労働同一賃金の制度案では、企業に、求められた場合は処遇に差がある理由の説明を義務づける。十分な備えが要る。

 日本郵便は判決を不服として控訴し、裁判は継続するが、地裁判決は企業が非正規社員の処遇を見直す機会にもなる。

 定年後の再雇用でも、定年前と仕事が変わらないのに非正規社員になったことで、正社員と比べ賃金に開きが出ることが問題になり始めている。継続雇用の処遇への目配りも企業は求められる。

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