2018年7月22日(日)

柏崎原発はもう一段の安全を

2017/9/21 2:30
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 東京電力・柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)の再稼働の前提になる安全審査をめぐり、原子力規制委員会が合格を出す見通しになった。福島第1原発事故を起こした当事者である東電の原発としては、初の合格となる。

 ただ、これで再稼働が見えてきたわけではない。新潟県の米山隆一知事は東電に福島原発事故の徹底した検証と再発防止を求め、再稼働に難色を示している。東電の組織の体質や安全への意識について国民の不信感も根強い。

 審査のもとになった規制基準は安全確保へ最低限の基準を定めたものだ。合格後も東電は気を緩めずに、基準を上回る安全策の強化に努めるべきだ。規制委も、その進捗状況や安全意識をチェックし続けることが欠かせない。

 規制委は柏崎刈羽原発について申請から4年をかけ、非常用電源の設置など技術的な項目を審査してきた。原発の運転や管理のルールを定めた保安規定に、東電が安全を最優先する姿勢を明記させ、他の電力会社や原発ではなかった安全対策を求めた。

 柏崎刈羽原発は福島第1と同型の原子炉でもある。規制委が審査に時間をかけ、追加的な安全策を課したのは妥当といえる。

 規制委は小早川智明社長を呼んで安全確保への決意表明も求めたが、トップが決意を示せば今後の安全が保証されるというものでもない。重要なのは、規制委が東電の安全対策に目を光らせ続ける、実効性の高い仕組みづくりだ。

 規制委の発足から5年にわたり委員長を務めた田中俊一氏は今週末で退任するが、柏崎刈羽の審査の経緯や今後のチェック体制についての説明は十分とはいえない。新委員長に就く更田豊志委員長代理が今後の合格手続きに合わせて、丁寧に説明すべきだ。

 柏崎刈羽と同型の沸騰水型原発はほかにも8基の審査が申請されたが、規制委は柏崎刈羽を優先して他を後回しにしてきた。今回の合格内定を機に、他の原発の審査も加速すべきだ。

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