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東芝再建の迷走に終止符を打てるか

2017/9/21 2:30
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 経営再建中の東芝の取締役会は、メモリー事業を米投資ファンドのベインキャピタルを軸とする「日米韓連合」に売却する方針を決議した。迷走を続けた東芝再建は今度こそ軌道に乗るのか。残された時間は少なく、経営陣には果敢な決断が求められる。

 東芝は今年初めにメモリー事業売却の方針を決めたが、どこに売るかを巡って二転三転を続け、当初は6月末と見込んだ売却先の決定は大きくずれ込んでいる。

 社内でも意見が割れたほか、経済産業省や銀行団の意向に振り回された感もある。綱川智社長をはじめとする経営陣のリーダーシップ不足があらわになった、と言わざるを得ない。

 時間の浪費で、来年3月末までにメモリー売却を完了し、債務超過から抜け出すという東芝再建の青写真に狂いが生じるだけではない。意思決定にもたつく間に半導体関連の技術者が外資系企業などに流出し、競合する韓国サムスン電子は大型投資を決めた。

 東芝のメモリーは日本に残された数少ない国際競争力のある半導体ビジネスである。その強さを維持・発展させ、半導体関連の産業集積や技術者が活躍する場を国内に残すためにも、迷走に早く終止符を打たないといけない。

 東芝取締役会が日米韓連合への売却を決議したことで、状況は一歩進んだといえる。ただ同連合の買収資金の確保策や競合陣営の米ウエスタンデジタルと東芝の係争の行方など現時点で未確定の要素もある。東芝の再建が軌道に乗るかどうか、大きな山場である。

 メモリーの売却が仮に順調に進んだとして、残る東芝がどんな会社になるかにも注目したい。同社はやはり優良事業だった医療機器を昨年手放しており、会社の規模や成長力、社会における存在感は以前より格段に縮小するだろう。

 東芝の試算によると、メモリー切り離し後の年間売上高は3兆6500億円程度になり、かつて総合電機首位の座を競った日立製作所の約3分の1の水準になる。

 ただ発電設備や浄水場の水処理装置、鉄道の運行管理システムなど重要な社会インフラを担う会社であることには変わりない。福島第1原子力発電所の廃炉作業も同社に課された使命である。

 早期に財務基盤を立て直し、派手さはなくとも、社会的な役割を安定的に果たせる体制をつくってほしい。

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