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地価の回復が続くためには

2017/9/20 2:30
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 地価が緩やかに回復している。国土交通省が公表した基準地価(7月1日時点)は商業地が2年連続で上昇し、住宅地も下落幅が一段と縮まった。

 今回の特徴は、地価回復の動きが地方に一段と広がったことだろう。札幌や仙台、福岡などの上昇率は三大都市圏を上回っており、地方でも地価が上昇に転じた地点が着実に増えている。

 訪日客の増加と投資資金の流入が支えている。住宅地では、外国人の別荘地の購入が広がる北海道倶知安町の上昇率が全国で最も高かった。商業地の上昇率の上位にも、訪日客に絡む店舗需要が強い京都や大阪の地点が並んだ。

 人手不足を背景とする物流施設の建設が回復を後押ししているのも特徴だ。工業地の地価は住宅地に先駆けて下落から脱した。

 金融機関の不動産融資が高水準なのはやや気がかりだが、現在の地価動向は総じて実需に裏打ちされているとみていいだろう。

 先行きには懸念材料が幾つかある。首都圏ではマンションの価格が高止まりし、需要がついていかない。企業業績の改善が賃金の継続的な上昇につながらないと、住宅販売は息切れしかねない。

 ここ数年、節税目的による賃貸住宅の建設が増えたのも心配な点だ。首都圏でも空き家は増えており、需給が緩む一因になる。

 商業地をみても、東京の都心部ですらビルの賃料の上昇が鈍い。来年以降、大型ビルが相次いで完成することが賃料の上値を抑えている。土地の収益力が高まらないと地価の上昇は続かない。

 地価が今後も持続的に回復するには、規制改革などをてこに都市の魅力をさらに高めることが欠かせない。成長戦略を着実に実行し、2020年の東京五輪以降も海外から資金や人を呼び込む基盤を整える必要がある。

 明るさが広がる地方でも、調査地点の3分の2は今も地価が下がっている。訪日客を幅広い地域で呼び込み、コンパクトな街にならないと下げ止まらないだろう。

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