2018年9月24日(月)

薬物汚染への警戒を強めよう

2017/9/19 2:30
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 薬物汚染の広がりが懸念される。大麻の幻覚成分を濃縮した「大麻ワックス」という新たなタイプの薬物が相次いで押収され、船舶を使った覚醒剤の大量密輸事件なども続いているからだ。

 薬物の乱用は本人や家族を不幸にし、良好な治安や社会の基盤をむしばむ。警察や厚生労働省、海上保安庁、税関など関係する組織が協力して、一段と取り締まりに力を入れる必要がある。

 特に重要なのは密売する組織の解明と摘発だ。日本に出回る薬物の多くは密輸入されている。海外の取り締まり当局との連携が欠かせない。なによりまず水際で押さえ、通信傍受や「泳がせ捜査」など法律で認められている手法も駆使し、捜査の実をあげてほしい。

 ここ数年、大きな社会問題になっていた危険ドラッグは、販売店の摘発などの対策で沈静化しつつある。だが薬物情勢全体をみればまったく楽観はできない。

 大麻事件での摘発者数が増えていることに加え、より危険性が高い大麻ワックスが流行の兆しを見せている。関東信越厚生局麻薬取締部によると、それまで摘発例がなかったのに昨年は6件、今年は8月末までに8件が全国で押収された。市販されている器具で乾燥大麻から容易に抽出することができるため、警戒が必要だ。

 国内で乱用される薬物の大半は覚醒剤だ。昨年1年間に全国で押収された覚醒剤は約1521キロで、過去2番目の多さだった。今年に入ってからも大がかりな密輸事件が発覚しているが、国内での末端価格はむしろ下落傾向にあるという。「十分な量」が出回っている可能性を示している。

 米国ではオピオイドという医療用麻薬の乱用が広がり、依存症になって働かなくなったり、過剰摂取で死亡したりする人が急増し、大きな社会問題になっている。

 まん延を防ぐには薬物の恐ろしさへの認識を社会で共有しなければならない。若い世代などに向けて、データや実例を用いた教育・啓発の取り組みを強化すべきだ。

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