2018年9月24日(月)

首相は何を争点に国民の審判を仰ぐのか

2017/9/19 2:30
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 安倍晋三首相が衆院を解散する意向を与党に伝えた。何を争点に国民の審判を仰ごうとしているのだろうか。任期を1年あまり残して総選挙に踏み切るからには、問いたいテーマがあるのだろう。憲法改正なのか、経済再生なのか。争点隠しと言われない選挙戦にしてもらいたい。

 選挙の争点は本来、与野党の論戦を通じて定まっていくものだ。しかし、急に解散が浮上し、10月22日の投票日まで約1カ月しかない短期決戦である。政策万般を漠然と論じていては、何のための選挙かがよくわからないうちに終わってしまう。

 2000年代前半に盛り上がったマニフェスト(政権公約)づくりが下火になり、最近はひたすら政党名や候補者名を連呼するような選挙戦が復活しつつある。「お任せください」型の選挙が低レベルの国会議員を生んでいる。もっと政策本位の選挙にしなくてはならない。

 有権者が投票する際の判断基準を大別するとふたつある。過去の業績評価と将来への期待表明である。前者は2014年の前回の衆院選後に安倍政権が推し進めた政策、例えば安全保障法制の整備が適切だったのかどうかを考えて1票を投じるというものだ。

 北朝鮮の核・ミサイル開発を抑止するうえで、集団的自衛権の行使の限定解除が効果を生んでいるのか。よく考えて適切と思えば与党に、不適切と思えば野党に投票すればよいわけだ。

 他方、期待表明は与野党が掲げるビジョンを見比べ、善しあしを判断するものだ。一般国民があれもこれも細かく検討するには簡単ではない。まずは解散を断行する側の首相が、国民に問いたいことを語るべきだ。

 8月の内閣改造・自民党役員人事のあと、首相は経済再生に最優先で取り組む方針を示した。そのための道筋はしっかり説明してもらいたい。

 衆院解散は首相の伝家の宝刀であり、歴代首相は勝てそうと思ったときに解散権を行使してきた。そうした判断力も政治家の重要な資質であることは否定できないところだ。

 とはいえ、与党にとっての損得だけで宝刀を振り回されては、有権者も鼻白むに違いない。森友・加計学園問題の疑惑隠し解散などと言われて損をするのは首相自身である。

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