2018年11月15日(木)

生保選びの眼力が試される

2017/9/18 2:30
保存
共有
印刷
その他

2018年4月に新規契約者を対象にした生命保険料が変わる。寿命の延びなどを反映して保険料算定の基準となる生命表が11年ぶりに改定されるためで、生保各社は商品ごとに保険料を見直す。

生保は消費者にとって住宅に次ぐ人生の大きな買い物とされる。需要が膨らむ医療保険を中心に新商品が相次ぐなかでニーズに合った保険選びの眼力が問われる。

生命表の改定は07年以来。多くの死者・行方不明者を出した11年の東日本大震災が生命表に及ぼす影響が確認できたこともあり、保険業界で作る日本アクチュアリー会が生命表の改定作業に着手していた。前回改定に比べ、例えば40歳男性の死亡率は10万人中148人から118人に低下する。

生命保険は「死亡保障型」「貯蓄型」「生前給付型」の3種類に分けられる。このうち契約者の生死と関係が薄い個人年金保険など貯蓄型には大きな変更がない。一方、契約者が死亡した際に遺族らに保険金が支払われる定期保険など死亡保障型は、10%前後の保険料引き下げが期待できそうだ。

注目は長生きリスクに対応する生前給付型だ。民間介護保険や医療保険など第3分野と呼ばれ、本来なら寿命が延びるほど保険金や給付金が支払われる回数が増えるため保険料に上昇圧力がかかる。

だが生保各社は値上げをするか否か、慎重に検討している。成長市場でシェアを確保するため利益を削って料率を据え置く可能性もある。喫煙の有無によって保険料が異なったり病気になった際に所得保障したりする保険など、多様な新商品開発が加速しそうだ。

保険の契約期間は長期に及ぶだけに商品選びにあたって保険会社の経営状態の確認も欠かせない。今回の生命表改定は保険会社の収益を圧迫する。契約者は業績の動向や保険金の支払い余力を示すソルベンシーマージン比率など健全性指標にも目配りしてほしい。何より、消極的な情報開示が批判されてきた生保業界が契約者への情報提供をさらに徹底すべきだ。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報