2018年11月15日(木)

ロヒンギャの救済へ実行を

2017/9/17 2:30
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ミャンマー西部に暮らす少数民族「ロヒンギャ」が、深刻な危機に直面している。武装勢力と国軍が衝突したあおりで、30万を超える人たちが隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされている。

アウン・サン・スー・チー国家顧問ひきいるミャンマー政府は、ロヒンギャへの迫害をすぐに止めなくてはならない。避難生活に苦しむ人たちへの支援を、国際社会は迅速に実行すべきだ。

危機の発端は8月下旬に武装勢力が治安施設を襲撃したことだ。掃討作戦に乗りだした軍は、武装していないロヒンギャも攻撃した。国連のグテレス事務総長が軍事行動を停止するようミャンマー政府に求めたのは、当然だ。

問題の根が深いことには注意が必要だろう。ミャンマーで多数派の仏教徒たちの間では、イスラム教徒のロヒンギャへの差別的な感情が際だって強い。

国籍を与えないなど政府がロヒンギャを不当に扱ってきた背景には、そうした差別意識が横たわる。ノーベル平和賞の受賞者でもあるスー・チー氏が、ロヒンギャ保護をはっきり打ち出してこなかったのも、多数派の反発を恐れた面が大きいようだ。

とはいえ、東南アジアで最も深刻といわれる人道危機に手をこまぬいていいわけはない。スー・チー氏はじめミャンマー政府は差別を打破する努力が求められる。

国際テロ組織のアルカイダは最近、ロヒンギャ迫害を理由にミャンマーへの攻撃を呼びかけた。テロの拡散を防ぐためにも、ミャンマー政府が和解と共存の道に踏み出すよう、日本を含む国際社会は働きかけを強めるべきだ。

今年の国連総会への出席を見送ったスー・チー氏は19日、首都ネピドーで演説する。迫害を終わらせるための、断固としたメッセージを期待したい。

スー・チー氏が招いたアナン元国連事務総長をトップとする委員会は8月、ロヒンギャに国籍を認める制度の導入などを勧告した。まずはこの勧告の実行である。

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