2018年7月16日(月)

ゲームで賞金稼ぎ「eスポーツ」 日本ではスマホ舞台
山田 剛良(日経テクノロジーオンライン副編集長)

コラム(ビジネス)
2017/9/21 6:30
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 腕に覚えがあるプレーヤーが多額の賞金を目指してコンピューターゲームをプレーする「eスポーツ」。海外では賞金総額が30億円近い大会も開かれるほど人気のある新しいエンターテインメントが、いよいよ国内でも隆盛の兆しを見せ始めた。状況を変えたのはスマートフォン(スマホ)ゲームの普及だ。

クラロワアジア大会は大いに盛り上がった

クラロワアジア大会は大いに盛り上がった

 「モバイル(スマホ)のeスポーツは、日本だからこそ伸びる余地は大きいはず」と話すのは、対戦型スマホカードゲーム「クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)」を配信するSupercell(東京・港)のジェネラル・マネージャー、バディ・マリーニ氏だ。

 同社は今年5月から公式大会「クラロワ日本一決定戦」を始めた。オンラインで誰でも参加できる1次予選には毎月8000人以上が挑戦。1万人を超える月もある。毎月順位を決めてポイントを付与。10月に上位32人で「日本一」を決めるリアルイベントを開く。

 Supercellは今年に入ってから全世界でクラロワのeスポーツ対応を本格化した。6月から7月にかけて世界大会の前哨戦として韓国と中国を会場に初めてのアジア大会を開催。初代アジアチャンピオンを決めた。合計2500人以上が試合の観戦に来場し、オンライン中継を世界中で1200万人が視聴する成功を収めた。

 「あくまで目標だが1万人は動員したい」と話すのはeスポーツのイベント「RAGE(レイジ)」を運営するCyberZの大友真吾執行役員。同社は9月18日、eスポーツイベント「RAGE vol.5 with シャドバフェス」を東京ビッグサイトで開く。国内で人気の高い対戦型カードゲーム「Shadowverse(シャドウバース)」(Cygames)の日本一決定戦を軸としたイベントだ。

 東京と大阪の予選会には合計約5000人が参加した。今回のイベントでは家庭用ゲーム新作の体験会なども併催し、「ファンが集まって盛り上がる場にしたい」と大友氏は意気込む。

 シャドウバースとクラロワ。その共通項は「スマホの対戦型ゲーム」という点だ。シャドウバースにはPC版もあるが、プレーヤーの大半は普段はスマホでこのゲームを遊び、予選もスマホで行われた。

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から現職。京都府出身、50歳

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から現職。京都府出身、50歳

 実は海外のeスポーツ定番タイトルは対戦型のPCゲームだ。家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機が強く、eスポーツにあまり向かないロールプレイングゲーム(RPG)などが主流の国内ゲーム市場の特性が、これまでは国内でeスポーツが盛り上がらない大きな要因の1つとされてきた。

 スマホゲームの普及はこうした状況を変えた。常時ネット接続されているスマホゲームでは、シャドウバースやクラロワのような対戦型ゲームの人気が高く、プレーヤーの総数も多い。最近は家庭用ゲームでも任天堂「スプラトゥーン」のようなネット対戦型ゲームがヒットし始めた。

 eスポーツ関連団体の一つ日本eスポーツ連盟の古沢明仁共同代表理事は「スマホゲームや家庭用ゲームのeスポーツでは日本が国際的にも主導権を握れる可能性がある」と話す。特にスマホのeスポーツは「まだ始まったばかりの市場」(Supercellのマリーニ氏)だからだ。

 eスポーツは2022年に中国・杭州で開かれるアジア競技大会の公式競技になると決まっており、将来は五輪の正式種目になるとの見方もある。世界的に盛り上がりつつあるeスポーツ。ゲーム各社がeスポーツに傾倒する背景には、この新しい市場を制したいという考えもありそうだ。

[日経MJ2017年9月18日付]

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