2018年11月15日(木)

五輪の将来像示す東京大会に

2017/9/15 2:30
保存
共有
印刷
その他

2024年と28年の夏季五輪の開催都市が、パリ、ロサンゼルスに決まった。いずれも3回目の大会となる。

2都市と国際オリンピック委員会(IOC)による事前の合意が満場一致で認められたものだ。

異例の同時決定は、平和の祭典である五輪が大きな曲がり角に来ていることを示す。その認識を共有しなければならない。

24年の五輪には当初、5つの都市が立候補していた。しかし、住民らの反対などで2都市に絞られ、IOCからの財政支援を得たロサンゼルスが28年開催に回った経緯がある。

巨額の施設建設費、そして期間中の混雑やテロの脅威、開催後の負の遺産などを前に、成熟した市民社会が五輪招致に静かな拒否反応を示しているといってよい。

商業主義的な運営やドーピング問題なども影を落としていよう。

IOCも危機感から3年前に「アジェンダ2020」という行動計画を採択している。既存、仮設施設の活用や会場の分散化を盛り込んだ。20年の東京大会は、その実現が厳しく問われる。

東京大会の運営の成否に今後の五輪の行方がかかっているといっても過言ではあるまい。

まず、約1兆4千億円と見込まれる開催費用に関し、これ以上の膨張で国民に負担を強いぬよう、厳しい目配りが必要である。

セキュリティーや輸送の面でも、種々のテクノロジーを活用し、安全・安心を第一に効率化とコスト減を図ることが肝要だろう。

東京大会では会場内での誘導や通訳、医療などで9万人以上ものボランティアの参加が予定される。その運用の巧拙も大会の運営を左右してくる。

さらに、大会後も施設をレガシーとして長く活用し続けるには、大会前からスポーツの裾野を広げる取り組みなどが大切になる。

「五輪は東京で生まれ変わった」と世界が感じ、将来へ末永く続く契機となる大会を目指したいものである。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報