2017年11月21日(火)

安保理制裁の厳格履行で北に強い圧力を

2017/9/13 2:30
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 制裁内容には不満が残るとはいえ、北朝鮮の核開発を決して容認せず、国際社会が結束して一段と強い圧力をかける姿勢を示したことは評価したい。6回目の核実験を強行した北朝鮮に対し、国連安全保障理事会が追加の制裁決議を全会一致で採択した。

 北朝鮮は「大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆」と称する核実験を3日に強行した。安保理はそれから1週間余りという異例のスピードで制裁決議を採択したわけだ。国連総会を控えた日程上の都合もあったにせよ、国際社会の強い危機意識を映したといえるだろう。

 決議には米国の当初案にあった石油全面禁輸は盛り込まれなかった。金正恩(キム・ジョンウン)体制に深刻な打撃を与える「最強の制裁」とされたが、禁輸に反対する中国やロシアに配慮したようだ。後退感は否めないものの、北朝鮮への石油精製品の輸出などに上限を設け、石油供給を実質的に3割削減する措置は打ち出した。

 決議はまた、新たに北朝鮮からの繊維製品の輸入を禁じ、出稼ぎ労働者に新規の労働許可を与えることなども原則禁止とした。

 安保理は過去の決議ですでに、石炭、鉄・鉄鉱石、海産物など北朝鮮の主要輸出品を禁輸対象にしている。今回の制裁措置も加えると、北朝鮮の輸出による外貨収入の90%超を削減できるという。これで核・ミサイル開発の資金源を断てれば、危険な核の挑発に歯止めがかかるかもしれない。

 当然ながら大切なのは、安保理決議の厳格な履行だ。厳しい制裁措置も、順守されなければ何の圧力にもならない。とくに北朝鮮との貿易取引の9割以上を占める中国、北朝鮮との関係が深いロシアの役割は重要だ。中ロは安保理常任理事国としての自覚を持ち、履行を徹底してもらいたい。

 北朝鮮が従来、制裁に非協力的なアフリカやアジアなどの国々と禁輸品を取引し、外貨を獲得してきた実態も明らかになっている。国際社会が協力し、制裁逃れを厳しく監視する必要もあろう。

 北朝鮮は決議に反発し、核・ミサイルの挑発を繰り返す恐れがある。日本政府は不測の事態に備え、万全の態勢を整えてほしい。

 北朝鮮が危険な核の暴走を加速させるなら、今度こそ石油禁輸に踏み込むべきだ。今回の決議は将来の禁輸を真剣に検討するという北朝鮮への警告と受け止めたい。

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