2017年11月18日(土)

尖閣国有化5年で浮かぶ課題

2017/9/12 2:30
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 日本政府が尖閣諸島を国有化して5年が過ぎた。反発した中国は周辺海域での公船の航行をなかば常態化させ、日中関係は緊張を帯びた状況が続いている。

 「海洋強国」を掲げる中国共産党政権は今後も力を誇示してプレッシャーをかけてくる公算が大きい。日本は海上保安庁の体制強化など備えを怠ってはならない。

 と同時に、尖閣をめぐる対立が日中関係全体をそこなわないようにする外交面の努力が、求められる。北朝鮮の核・ミサイル開発や地球温暖化など、両国が連携すべき課題は多い。

 アジアの二大国がいがみあってばかりでは、地域と世界の発展にマイナスだ。根深い相互不信の解消は容易でないが、だからこそ、双方の指導者は話し合いの機会を増やすべきだ。

 海保によれば、この5年間で尖閣周辺の領海に中国当局の公船が侵入したのはおよそ200日。接続水域での航行は荒天の日をのぞけばほぼ毎日という。

 中国のメディアはこうした活動が習近平国家主席の指示によると指摘し、「日本のいわゆる実効支配を打破した」と意義づけている。中国は公船の増強を進めており、これからも圧力が高まる可能性を覚悟する必要があろう。

 尖閣は日米安保の適用範囲に含まれる、との考えを米国は明確にしている。これが中国の軍事行動を抑える効果は小さくないが、日本は気を抜いてはならない。とくに、軍事行動とはみなされない公船や漁船の動きは要注意だ。

 尖閣の国有化から間もなく、日本では第2次安倍晋三政権が、中国では習政権が、それぞれ誕生した。以来、両首脳は国際会議などの機会に顔を合わせてきたが、相互訪問は実現していない。一衣帯水と言われる隣国同士の関係としては何とも情けない状況だ。

 ただ経済関係はそれほど悪くなく、近年は中国からの観光客が急増している。広い視野から「戦略的互恵」関係を具体化する知恵を、両首脳は問われている。

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