2017年11月18日(土)

TPP11テコに貿易自由化の好循環を

2017/9/12 2:30
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 日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、インドを含むアジア全域をほぼ対象とする巨大な自由貿易協定(FTA)である。

 16カ国による交渉は遅れている。日本は米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)の発効に全力を挙げつつ、それをテコに質の高いRCEPの実現を各国に働きかけてほしい。

 16カ国が開いた閣僚会合は「年末までに重要な成果を達成」との方針を確認するにとどめた。

 設立50周年を迎えたASEANは年内の成果を求めているものの、各国の主張の隔たりは大きく、年内の合意は相当に難しいと判断せざるを得ない。

 関税の削減・撤廃をめぐり中国やインドは慎重姿勢を崩していない。高い水準の貿易自由化を求める日本やオーストラリアなどと差がある。

 また、一部の国が関税の削減・撤廃を重視しているのに対し、日本は電子商取引や知的財産権などのルールでも高いレベルをめざすべきだとの立場だ。

 現時点で16カ国による早期合意だけを優先してしまうと、関税やルールで自由化の度合いの低い内容で妥協せざるを得なくなる。

 交渉そのものは加速しなければならないが、合意の時期が多少遅れたとしても、まずは質の高い内容を優先するという日豪などの方針は当然である。

 通商分野では、あるFTA交渉が妥結すると、触発されて別のFTA交渉が進むという連鎖反応が起きやすい。RCEPの交渉を後押しする最大のカギは、米国を除く「TPP11」だ。

 TPPはきわめて質の高い協定である。米国を除く11カ国は月内に日本で首席交渉官会合を開く。日本は議長国として、11月のTPP首脳会議で発効条件を合意できるよう精力的に動いてほしい。

 中印が入るRCEPは、交渉参加国の人口が世界の約半分を占め、先進国だけでなく後発の途上国も含む。だからといって野心的な貿易自由化をあきらめれば、経済効果は大きくそがれてしまう。

 TPP11が発効すれば、韓国や台湾なども参加を検討する動きが強まろう。それが質の高いRCEPを促し、将来のアジア太平洋自由貿易圏の可能性を高める。そんな貿易自由化の好循環をつくらねばならない。

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