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春秋

あすの土曜日、いっぷう変わった書店が開業する。場所は東京の下町、日本橋浜町。2階まで吹き抜けの壁に科学、歴史、美術、建築、花、料理などの本がずらりと並ぶ。店は本格的なカフェを兼ね、食事やコーヒーも楽しめる。しかけたのは老舗企業の安田不動産だ。

▼前身の安田保善社時代から、同社はこの地で貸地業を営んでいた。近年、再開発で相次ぎ巨大オフィスビルを建て、地元との交流が課題に浮上した。そこで出たのが書店兼カフェというアイデアだ。会社勤めの人々と古い住民が店で開く催しなどに集い、本に刺激され話が弾む。そうした地域の広場となることを期待する。

▼大手から零細店まで、書店の廃業が止まらない。新刊書店のない自治体は全国で2割に達したという。引き金のひとつはネット通販だ。手軽に探せ、関連本も表示され、家まで届けてくれる。そんなネット通販にも弱みがあるのでは――。地域おこしに詳しく、安田不動産の依頼で今回の新店を企画した水代優さんは語る。

▼店なら多種多様な本を一気に見渡せる。本を手がかりに人と出会うのも楽しい。ネットのお薦め機能も、突っ込んで本を探すには物足りないと水代さん。何より、書棚の前に立つと心が静まっていく感覚は捨てがたい。国際情勢に国内政治と、気持ちをざわつかせることの多い時代こそ、書店のような空間は貴重なのだが。

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