トップ > 社説・春秋 > 記事

社説

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

特区で岩盤規制の改革に再挑戦せよ

2017/9/8 2:30
共有
保存
印刷
その他

 省庁と既得権益が結びついて新規参入を阻む「岩盤規制」を砕き、競争を促して経済を活性化するのは成長戦略の最優先課題だ。政府は国家戦略特区を舞台にした改革に果敢に再挑戦してほしい。

 政府の国家戦略特区諮問会議が今週ようやく再始動した。諮問会議が開かれたのは5月以来で、それまで改革論議が停滞したのは極めて残念である。

 背景には、特区を使った学校法人「加計学園」(岡山市)による獣医学部新設をめぐる問題があった。加計学園の理事長は安倍晋三首相の友人だ。そのため、政治の圧力や官僚の忖度(そんたく)があったか否かをめぐる議論に政府や国会は長い時間を費やした。

 政府は引き続き政策判断の経緯を丁寧に説明していく必要がある。省庁間のやりとりで「言った」「言わなかった」といった誤解を生まないように議事録をつくったり、議事公開のルールをつくったりするのは妥当だろう。

 同時に、これまで以上に改革の本丸である規制の緩和や撤廃を加速させなくてはならない。

 特区はこれまでも一定の成果をあげてきた。都市再開発のための容積率緩和や、一般の家に旅行客を泊める民泊を実現した。

 都市公園に保育所を設置できるようにしたり、高齢人材の労働時間を柔軟にしたりするなど、特区発の政策を全国展開した例もある。問題は改革が徹底していない分野が残っていることだ。

 例えば、一般の運転手が利用者を運ぶライドシェア(相乗り)や、テレビ電話を使った薬剤師による遠隔服薬指導はすでに特区で解禁されたのに、これまでの利用実績はゼロだ。自治体や民間への周知が不足しているのではないか。

 新政策についても政府と自治体はもっと大胆に提案していく必要がある。東京都と豊島区が介護保険と保険外サービスを組み合わせた「混合介護」のモデル事業を計画しているのは前進だ。

 ほかにも外国人受け入れや、企業の農地保有の拡大など、今ある政策をさらに深掘りする余地は大きいはずだ。関連法改正などスピード感を持って実現すべきだ。

 人事異動もあり、特区の事務局の機能が低下しているのではないかと心配だ。必要なら人員を増やしたり、規制改革推進会議と事務局を統合したりするのは一案だ。将来の成長の種をまく規制改革の足踏みは許されない。

社説をMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報