2017年11月18日(土)

IDOMの中古車フリマサイト 厳格な査定で支持拡大

コラム(ビジネス)
2017/9/9 6:30
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 中古車販売大手のIDOM(旧ガリバーインターナショナル)が手がける中古車のCtoC(個人間取引)仲介事業が軌道に乗りそうだ。ネットの個人間取引を巡っては、フリマアプリ「メルカリ」などで普及してきた衣料品に比べると、車は高額で抵抗が強い。IDOMは買い取り店で培った車の査定力のほか、地道なサービス改善で消費者の支持を広げている。

「ガリバーフリマ」では軽自動車から輸入車まで1万台以上が出品されている

「ガリバーフリマ」では軽自動車から輸入車まで1万台以上が出品されている

 「前方を少しこすっています」「スペアキーはありますか?」――。IDOMが運営するサイト「ガリバーフリマ」では、出品者と買い手がコメント欄で情報をやりとりしている。登録情報だけでは分からない箇所について、買い手は納得するまで出品者に尋ねることができる。

 売り手は車両の年式や走行距離、修理歴などを入力し、写真をアップする。査定は全国約500店の「ガリバー」で受け付けている。内装や外装だけでなく、エアコンやマフラーなど最大2000項目を確認する。

 チェックを終えた車両にはサイト上で「査定済み」のワッペンを貼る。車両のスペックに偽りがないとお墨付きを与えたことになり、事故車やメーター戻しを隠すといった買い手側の不安を減らす。査定を受けなくても売りに出せるが、現時点で出品されている車両のほぼ全てが「査定済み」の状態という。

 IDOMは中古車相場をもとに適正価格を助言するが、最終的には出品者が価格を設定する。店舗によっては買い取り目的で来店した人にもガリバーフリマへの出品を勧めている。

 店舗が提示する価格よりも高く売りたい顧客がガリバーフリマを利用する場合が多いという。CtoC事業開発の内山千章氏は「思い入れのある車を自分の信じる価値で売りたいという人に使われている」と話す。

 決済はIDOMが代行するため、支払いを逃げられるリスクをなくす。支払い方法はもともと現金振り込みだけだったが、今年2月からクレジットカードにも対応させるなど、支払い手段を増やすよう努めている。個人間取引は消費税がかからないため、買い手にとっての利点も大きい。

 手数料は車両の価格帯に応じて、売り手と買い手の双方から1万~6万円ずつ受け取る。サービスの立ち上げ当初は一律6万円だったが、2016年に改定。6万円以下の車を売っても損失が出ないようにした。買い手は車両の輸送費などさらに9万円を負担する。

 「クルマジロ」という名称でサービスを開始したのは15年。高額品であるだけにCtoC市場で存在感を高めるのには苦労してきた。ただ細かなサービス改善を積み上げたことで、ここに来て消費者の支持が広がった。17年6月にサービス名をガリバーフリマに変更し、中古車店として認知度の高いガリバーのサービスであることもわかりやすくした。

 16年末に約3000台だった出品台数は1万台超まで増えた。1万円の軽自動車から1000万円台の独高級車「ポルシェ」など車種も幅広い。

 個人間取引の普及は店舗での買い取り実績の減少にもつながりかねないが、内山氏は「人口減などで中古車市場は大きな伸びが見込めない。少しでも需要を活性化させる手段になれればいい」と話す。将来は「中古車流通の1割を占める存在になりたい」と意気込む。

 ライドシェア(相乗り)やカーシェアリングの普及など「所有から利用へ」の波が押し寄せる自動車業界。ガリバーフリマは新たな所有の選択肢としての定着を目指す。

(河野真央)

[日経MJ2017年9月6日付]

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