2017年11月18日(土)

小売り値下げに2つの懸念

2017/9/4 2:30
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 大手小売り各社が安売り志向を強めている。イオンセブン&アイ・ホールディングス、西友は食品や日用品を相次ぎ値下げした。専門店チェーンでもイケア・ジャパンや良品計画が家具や衣料品の価格を引き下げている。

 ユニー・ファミリーマートホールディングスドンキホーテホールディングスと資本提携し、不振のスーパーをディスカウントストアに衣替えすると決めたのも、こうした流れと無縁ではない。

 消費者の節約志向が理由だという。ネット通販に対抗する狙いもあろう。しかし安売り頼みの小売り経営には2つの懸念がある。

 第1は値下げの原資だ。家具のニトリホールディングスや大手100円ショップ各社は、商品調達先の育成や物流自動化などの努力を重ね価格競争力を築いた。今の値下げ合戦はビジネスモデルの改革を伴っているか。従業員や納入先に過剰な負担を与える値下げだとしたら、長続きしない。

 第2は値下げする対象だ。一般的な普及品の値下げが目立つが、チェーンストアの原点は「良いものをより安く」にある。欲しいが高くて手が出ないものを工夫で値下げしてこそ、消費者の満足度が高まり需要喚起につながる。

 米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムは買収した高級スーパー、ホールフーズ・マーケットの商品を大幅に値下げした。有機野菜や産直の肉などのぜいたく品を手の届く価格で提供し、健康志向の中間層に歓迎されている。

 日本でもドラッグストア業界はかつての安売り店から脱皮しつつある。健康に配慮した食品や化粧品を集め、見やすく陳列して働く女性などの支持を獲得。業界全体の売上高は百貨店を超えた。

 高機能な白物家電の売上高が好調な家電量販店、高級スニーカーが好調な靴のチェーン店など、消費のトレンドをとらえ低価格に頼らずに伸びる小売店は少なくない。小売業界には創意工夫でビジネスモデルの創出や斬新な店づくり、市場の開拓に挑んでほしい。

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