2018年9月24日(月)

危険極まる北の挑発に強力な制裁圧力を

2017/8/30 2:33
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 北朝鮮が日本列島の上空を飛び越える弾道ミサイルの発射を強行した。日本の安全を脅かす危険極まる軍事的挑発であり、断じて容認できない。

 防衛省によれば、ミサイルは平壌郊外から1発発射され、北海道の襟裳岬上空を通過して太平洋上に落下した。飛行距離は約2700キロメートル、最高高度は約550キロメートルで、北朝鮮が「火星12」と称している中長距離弾道ミサイルの可能性が大きいという。

 北朝鮮は先に、弾道ミサイル4発を同時発射して米領グアム沖に着弾させる作戦を予告。米国を激しく威嚇したが、その際に使用するとしたのが「火星12」だ。

 金正恩(キム・ジョンウン)委員長は「米国の行動をもう少し見守る」として、作戦計画の実施を見送っている。ただ、北朝鮮は米韓合同軍事演習が予定通り開始されたことなどに反発を強め、先週末には短距離ミサイルとみられる3発を発射したばかりだ。

 今回のミサイル発射はグアム沖にいつでも撃ち込める技術的な能力を誇示することで、米国に対話に向けた譲歩を改めて促す思惑なのだろうが、日本を直接危険にさらすような挑発は言語道断だ。しかも事前通告はなく、度を越した暴挙と言わざるを得ない。日本政府が国連安全保障理事会の緊急会合を要請したのは当然だろう。

 9月9日に建国記念日を迎える北朝鮮は今後も、挑発のレベルを上げたミサイル発射や核実験を強行する恐れがある。不測の事態も含めて、朝鮮半島の軍事的緊張がさらに高まりかねない。

 北朝鮮の危険な挑発に一刻も早く歯止めをかける必要がある。軍事衝突を避け、対話による核問題の平和的解決の道を模索していくうえでも、まずは国際社会が結束して北朝鮮に強力な制裁圧力をかけていくことが欠かせない。

 とくに北朝鮮と関係が深い中国やロシアの役割は大きい。正恩体制に深刻な打撃を与えるとされる石油禁輸を含め、北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を促すような厳しい経済制裁に踏み込むべきだ。

 政府は今回、全国瞬時警報システム(Jアラート)で逐次、情報を伝えた。一部の新幹線や在来線が一時運転を見合わせるなど市民生活にも影響が出た。こうした危機管理のレベルについては議論の余地があろうが、政府は今後とも国民の安全を最優先に万全の態勢で不測の事態に備えてほしい。

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