2018年7月19日(木)

実戦的な力を養う産学の連携

2017/8/29 2:30
保存
共有
印刷
その他

 人が付加価値の高い仕事をする能力を身につけるうえで、大学の役割は大きい。これから社会に出る若者の教育に加え、会社に勤めている人や離職した人への再教育もより重要になっている。

 いずれの場合も強化する余地があるのは、仕事にすぐ生かせる実戦的な知識や技能を習得させることだ。転職や再就職への自信をつけてもらう必要もある。それには企業との連携を深め、教育内容を充実させたり、実際に働く機会を設けたりすることが求められる。

 日本女子大の「リカレント教育課程」には、出産や夫の海外赴任などで離職後、再就職をめざす女性らが学ぶ。英語、IT(情報技術)の知識や貿易実務などの科目のほか、受講者が大手スーパーの店舗や物流施設を視察して業務改善策を提案する場もある。

 商品の陳列方法の見直しなど消費者目線でのアイデアが相次ぐという。同大によれば、企業の現場でまた働きたいという受講者の意欲を高める効果が大きい。ほかの大学が在職者向けに設ける社会人講座も、企業で活躍する人たちと議論する機会を持つなどで、実地に役立つ教育ができるだろう。

 企業に社会人を対象としたインターンシップ(就業体験)を開いてほしいと考えている大学は多い。企業にとっては即戦力の獲得にもつながる。開催を前向きに考えてはどうか。

 新卒者の教育では京都学園大学が日本電産の永守重信会長兼社長と組んだ。来春、同大を運営する学校法人の理事長に永守氏が就き、同氏個人の寄付をもとに2020年4月、モーターやロボットの技術者を育てる工学部や大学院工学研究科を新設する。

 企業が求める能力を備えた若者を養成する取り組みとして注目される。他大学も企業からの講師の受け入れなどを広げるべきだ。

 ドイツが職業訓練で企業による実習生の受け入れを拡充してきたように、海外でも能力開発では企業の役割が重視されている。日本も企業の力をもっと活用したい。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報