2018年9月24日(月)

次世代無線通信を競争力強化につなげよ

2017/8/29 2:30
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 情報を伝える速度が現在の100倍となる次世代の無線通信サービスの実用化が近づいてきた。第5世代(5G)と呼ぶ技術の仕様について話し合ってきた国際団体が議論を速めることを決め、今年12月に結論を出す。

 5Gを使ったサービスは米国や韓国の通信会社が2018年に実用化する計画を示し、日本でも東京五輪の開かれる20年に始まる見通しだ。サービスを円滑に立ち上げるには有効な用途を見つけ、安全性を確保するといった課題の解決を急ぐ必要がある。

 無線通信の技術はおよそ10年おきに世代交代を重ねてきた。1980年代の第1世代は音声のやり取りに限られていたが、文字や動画へと扱うことができる情報を増やしてきた。5Gは4Kと呼ぶ高精細な動画などを円滑に送受信できる特徴がある。

 こうしたサービスを実現するためには、高水準の設備投資が必要になる。2020年から35年までに5Gの研究開発や設備導入に必要な投資は主要国全体で年20兆円を上回るとの試算もあり、通信会社は資金の確保が必要になる。

 5Gは1平方キロメートルあたり100万台もの機器を接続でき、通信の遅れが少ないという特徴もある。こうした点はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」が普及する基盤になるとみられている。

 活用が期待されている分野のひとつに、高い信頼性が必要となる自動運転がある。建設機械を遠隔地から操作して工事を進めたり、医師がロボットを通じて遠くにいる患者を手術したりといった用途も話題にのぼっている。

 従来は、通信会社は通信機器をつくるメーカーと協力すれば新たな技術を普及させることができたが、5Gでは自動車をはじめとする幅広い業界との連携が欠かせない。すでにNTTトヨタ自動車と5Gを活用した新技術の開発で組むといった動きが出ており、こうした関係を広げるべきだ。

 自動車や社会インフラ、医療機器といった人の命を左右する多くの製品がネットにつながることにより、安全性への配慮も一段と重要になる。

 世界的にサイバー攻撃が増えているが、日本では守りを固めるのに欠かせない人材が不足している。官民が協力して人材の育成を急ぐことが、5GやIoTを普及させて産業の競争力を高める基盤となる。

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