2018年7月19日(木)

都市の「スポンジ化」どう防ぐ

2017/8/26 2:30
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 全国で空き家や空き地が増えている。こうした十分に利用されていない空間が地域内で広く点在する状態を「都市のスポンジ化」と呼ぶそうだ。国土交通省の有識者委員会がスポンジ化への対応について報告書をまとめた。

 2013年時点で820万戸だった空き家は現在、1000万戸程度に増えているとみられる。民間機関の予測では33年には2150万戸と住宅の総戸数の3割に達する見通しだ。

 空き店舗も増えている。全国の商店街の4割は空き店舗率が10%を超えている。土地への需要も減っている。全国の空き地面積は13年で1554平方キロメートルと5年間で3割近く増加した。香川県の面積の8割に相当する広さだ。

 地方では中心部でも低未利用地が広がっている。例えば、宮崎市では中心市街地の13%が平面駐車場なども含む空き地という。

 都市のスポンジ化が進むとにぎわいを失うだけでない。景観や住環境が悪化し、生活に必要なサービスを維持しづらくなる。

 報告書は現在の都市計画制度の限界を指摘している。今の制度は地域ごとに住宅地や商業地などと主な用途を定め、建物の規模を規制することに主眼を置いてきた。人口の増加に併せて計画的に街を整備する制度だったといえる。

 現在の課題は建物や空間をどう活用するかに移っている。利用者が撤退する場合でも、早期に他の使い道を決めれば荒廃しない。

 報告書ではいくつかの対応策を紹介している。山形県鶴岡市ではNPOが仲介役になって複数の空き家や空き地がある区域を一体で再編し、近隣の住民が駐車場に利用したり、道路を拡幅したりして住環境の向上につなげている。

 千葉県柏市では空き地の所有者と市民団体などを行政が仲介し、地域住民が共同で利用する広場などとして活用している。

 スポンジ化は行政だけでは防げない。官民が情報を共有し、地域住民も巻き込んで取り組む課題なのだろう。

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