2018年11月20日(火)

日本の活性化にシェア経済をいかそう

2017/8/26 2:30
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個人や企業の持つモノや能力をスマートフォン経由などで他人に貸し出し、対価を得る。こんなシェアリング・エコノミー(シェア経済)と呼ばれる仕組みが様々な領域に広がり始めた。新たな商機が生まれるだけでなく、うまく使えば人手不足など日本の抱える構造問題克服の一助にもなろう。

シェア経済の第一のメリットは消費者の選択肢が増え利便が向上することだ。例えば最近話題の自転車シェアでは、今月から中国の摩拝単車(モバイク)が札幌市でサービスを始めた。スマホ操作で手軽に自転車をレンタルでき、用がすめば市内に多数設ける駐輪場のどこかで手放せばいい。

この自転車シェアの仕組みが中国で生まれ育ったことにも注目したい。ネットを活用した新規ビジネスが米国勢の独壇場だった時代は終わりつつある。日本企業からも世界に通用する事業モデルが生まれることを期待したい。

モノではなく、自分の技能や時間を提供するタイプのサービスは柔軟な働き方に道を開き、人手不足解消に資する可能性がある。

業務委託したい企業と働く人をネット上で結びつけるクラウドワークスの登録ワーカー数は130万人に達した。育児中の母親や資格取得のために勉強中の人などフルタイムでは働けないが、すきま時間と専門スキルを生かして副収入を得たい人に好評という。

運転手不足に直面するヤマトホールディングスは7月、トラックの空いたスペースと小口の荷主を結ぶ物流シェア会社のラクスル(東京・品川)と資本提携した。

ヤマトの山内雅喜社長は「宅配サービスの維持に向け、これまでの自前主義を転換する」と述べ、他社の輸送能力をうまく活用するシェア経済の手法を取り入れる考えを示唆している。

自家用車で人を運ぶライドシェアは、公共交通不在の過疎地などでお年寄りや外国人観光客の貴重な足になる。タクシー業界は安全性などを理由に頑強に反対しているが、走行距離あたりのタクシーの事故率は一般の自家用車に比べて2倍の高さであり、まずはタクシー自体の安全性向上に力を注ぐべきではないか。

政府も必要な規制改革を実施し、シェア経済の離陸を後押ししてほしい。空き時間や遊休設備の有効活用で無から付加価値を生むことができれば、日本経済全体の生産性も向上するだろう。

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