2017年11月19日(日)

自販機からスマホにクーポン配信、ダイドードリンコ

コラム(ビジネス)
フィンテック
2017/8/26 6:30
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 ダイドードリンコは9月4日、次世代型自動販売機「スマイルスタンド」で、リクルートライフスタイルのホットペッパーと連携したサービスを始める。ホットペッパーに登録された飲食店や美容院の情報を自販機と連携したスマートフォン(スマホ)アプリを介して消費者に配信する。若い消費者を取り込むため、自販機を情報拠点としたサービスの充実を急ぐ。

ダイドードリンコは自販機を起点に情報配信やポイント特典などのサービスを急ぐ

ダイドードリンコは自販機を起点に情報配信やポイント特典などのサービスを急ぐ

 新サービスは「スマイルタウンポータル」。自販機を利用した際にアプリ「ダイドースマイルスタンド」を起動して自販機にスマホをかざすと、従来の利用額に応じたポイントに加えて半径1キロメートル圏内の飲食店や美容院の情報や割引クーポンが配信される。クーポン利用や店の予約は「ホットペッパーグルメ」や「ホットペッパービューティー」を活用してもらう。

 情報は一度に飲食店5軒と美容院1軒の計6軒を送れる。朝から昼までの時間帯はランチに利用しやすい店を、昼以降は居酒屋や夕食を提供する店を紹介するなど配信する店舗を分ける。昼以降に紹介する店は「がっつり肉の日おすすめの店」など6つのテーマからランダムで配信する。ダイドーは情報配信による広告収入を得る。

 配信する内容はホットペッパーグルメなどと同じだが、スマホを通して近隣店舗の情報を重点的に配信することで特徴を出す。今後はアパレルやカラオケなど他業態の広告配信やアプリ限定のクーポン、自治体など地域情報の配信も計画しているという。

 「飲料を届けるだけの役割から進化する必要がある。周辺の知られていない情報を発信する基地として、消費者の日々の生活を充実させられる役割を担いたい」。プロジェクトチームのリーダーを務める西佑介氏は今回のサービスの狙いをこう説明する。

 小売りの人手不足による閉店時間の繰り上げや東京のオフィス新設ラッシュで自販機への注目度は高まっているが、業界内の競争は激しい。商品の入れ替えなどの対応だけでなく、新たな価値を提供することが重要になってきたというわけだ。

 このため同社が力を入れるのが、次世代自販機やアプリを通したサービスだ。2016年に開始した。現在ダイドーの自販機は28万台。スマイルスタンド対応自販機は2万5千台で東京や大阪など都市部を中心に展開している。18年1月期中に5万台に増やし、将来は15万台を目指す。

 スマイルスタンドで飲料を購入した人に独自のポイントを付与。楽天などのポイントと交換できるようにしている。今回のサービスではポイントに情報を組み合わせた。

 さらに9月末にはSNK(大阪府吹田市)の人気格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ」を基にした独自スマホゲームの配信も始める。自販機で得られるポイントをゲーム内コインに変換する方式で、自販機の利用拡大を狙う。

 国内飲料売上高のうち自販機の割合は他社が3割程度に対し、ダイドーは8割を占めている。自販機をいかに利用してもらうかは経営上の大きなテーマだ。高松富也社長は「利用頻度が低い若者の取り込みがカギ」という。自販機のポイントアプリを複数使う消費者はまれであるとみられるため、「他社より先に対応機種を増やすことは重要」と力を込める。

 国内飲料事業を統括する笠井勝司取締役は「将来は新サービスを収益源にしていけるよう、まず自販機を通してサービスを受けられることを伝えることにしっかり取り組みたい」と話す。見守りサービスなどとの連携も想定しながら、自販機とネットを組み合わせたサービスで存在感を高める。(大淵将一)

[日経MJ2017年8月23日付]

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