トップ > 特集 > 関西発 > ビジネス > 記事

関西発

フォローする

11月6日の電子版のリニューアルに伴い、特集「関西発」は「地域」セクションに移りました。「関西発」のコンテンツは「地域」セクションの「関西」でご覧頂けます。

「突っ張り棒に女性目線」平安伸銅工業(関西企業のチカラ)
照明・棚で部屋おしゃれに

2017/8/22 2:19
保存
共有
印刷
その他

価格競争に陥りがちな日用品にファッション性を付加し、新風を呼び込んでいる企業がある。クローゼットの壁を橋渡しして服などをつり下げる突っ張り棒を扱う平安伸銅工業(大阪市)だ。3代目の女性社長を中心に改革を進め、顧客目線を取り入れた新ブランドを生み出している。

新ブランド「DRAW A LINE」は様々な使い方ができる(大阪市西区)

新ブランド「DRAW A LINE」は様々な使い方ができる(大阪市西区)

大阪市西区にある平安伸銅本社の一角。部屋をイメージした空間の縦横に、照明器具などを取り付けた黒い突っ張り棒が伸びている。4月に発売したブランド「DRAW A LINE(ドロー・ア・ライン)」だ。

1本あたりの価格は3500~4500円と従来の1千~2千円より高いが、棚の配置を工夫したり照明器具と組み合わせたりと部屋をアレンジできる点が好評だ。

平安伸銅は創業者の笹井達二氏がアルミサッシ量産に成功したのがルーツ。その後石油危機で撤退し、突っ張り棒に活路を見いだす。2代目の康雄氏は輸入品増加に対応して中国への生産委託を進めたが、2009年6月期の売上高は14億円と1995年6月期の48億円から激減していた。

竹内香予子社長(35)が3代目社長に就いたのが15年。20年以上も斬新な新商品を投入していない状況に危機感を感じる。「ベテランの開発スタッフはコストダウンこそ得意だが、付加価値を高める商品開発のアイデアが浮かばなかった」

デザインや開発には主要顧客である主婦らの視点が欠かせないと判断。竹内社長が入社した10年には自身を含め3人だった女性社員を10人以上と全社員の約4割に増やした。改革に抵抗し、退社する社員もいた。

16年には賃貸住宅の天井や床を傷つけず棚をアレンジできる「LABRICO(ラブリコ)」を発売しヒット商品となった。17年6月期の売上高は22億円まで増えた。

情報への感度を高めるため、7月には東京支店を板橋区から渋谷区代官山に移した。「自らメディアなどで『広告塔』となることも辞さない」と竹内社長。18年6月期は売上高25億円を目指す。

(東大阪支局長 苅谷直政)

=随時掲載

<トップの一言>他社と積極連携 アイデア補う

「自社に足りない部分を他社で補うのは中小企業ならでは」と竹内香予子社長は語る。中途採用の技術者らに加え、外部企業のアイデアを活用することで「オワコン(終わったコンテンツ)の突っ張り棒がよみがえった」。

新ブランドでも商品企画会社TENT(東京・目黒)の提案を照明器具の開発に採り入れ、黒の突っ張り棒も用意した。「反対意見もあったがTENTのおかげで商品化できた」。今後も社内外の力を改革に生かす。

関西発をMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ

電子版トップ特集トップ