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ポケモンGOが再ブーム 共闘機能でリアルに交流

山田 剛良(日経テクノロジーオンライン副編集長)

今月9日から1週間、横浜市のみなとみらい地区でスマートフォン(スマホ)位置ゲーム「ポケモンGO」のイベントが開かれた。運営会社のナイアンティックによると、最終的には200万人超を動員した。その光景は、6月以降に投じてきた「リアルとの融合」を狙ったテコ入れ策が功を奏したことを示した。

初日の9日。会場のカップヌードルミュージアムパークと赤レンガパークは熱心なポケモンGOトレーナー(プレーヤーの呼称)であふれた。夏休みとはいえ平日午前中とは思えない人出だ。

「イベントはやっぱり楽しい。どんどんやって欲しいですね」と話してくれたのは埼玉県から来た初老の夫婦。ポケモンGOは昨年のリリース時から、夫婦共通の趣味として続けているという。

ナイアンティックは6月以降、7月で1周年を迎えたポケモンGOにテコ入れ策を次々に打った。まず6月に他のトレーナーのポケモンと対戦する「ジム戦」を大幅改良。最大20人のトレーナーが共同で大物ポケモンを狩る「レイドバトル」も新たに導入し、大きなルール改正を実施した。

7月に入ると人気キャラ「ピカチュウ」を使ったゲーム内イベントを開催。7月中旬にはレイドバトルの対象に「伝説のポケモン」が登場した。

7月22日には米シカゴで初の本格的なリアルイベントを開催。今回の横浜はシカゴに続くリアルイベントだ。期間中の14日に横浜スタジアムで開催した招待制イベントでは伝説ポケモンで一番人気のある「ミュウツー」を大盤振る舞いした。

「今後はトレーナー間の交流が活発になりそう」とみるのは、ポケモンGOの前身となったゲーム「イングレス」の情報サイトを運営するチャリングレスさん。「ポケモンGOはこれまでトレーナー間のリアルな接触を運営が避けている印象だったが、6月以降は変わりつつある」と話す。

例えば、新規導入のレイドバトル自体は一般のネットゲームでもある仕組みだが、位置ゲームであるポケモンGOでは、参加者全員がその場にいる。チャリングレスさんは「トレーナーの交流が進んだ結果、ゲーム内で有名人が生まれるようになるとより盛り上がる」と期待する。

見ず知らずのプレーヤー間のリアルな交流をゲーム内の仕組みや実際のイベントで生み出す。こうした手法は位置ゲームならではだ。イングレスで培ってきたナイアンティックのお家芸でもある。ありていに言えばポケモンGOはイングレスっぽくなってきたのだ。

イベントの地方展開なども可能性が広がる。ポケモンGOでは過去に災害復興を名目にしたイベントを東北や九州で開いたことはある。だがあくまで「レアなポケモンを捕まえられる」という目的に限られていた。

今後は今回のようなレイドバトル大会とか、期間限定のジムを使ったバトル大会といったイベントを、特定の地域で実施することも容易になるだろう。地域ごとにコミュニティーが生まれ、新しいイベントが催されることもあり得る。

都心と違って人が集まりにくい地方との格差を是正し、ゲームを盛り上げる手段にもなる。こうした手法のいくつかは、過去にナイアンティック自身がイングレスで実施した実績もある。

6月以降の施策は、ゲームに飽きかかっていた中間層の活性化やいったん離脱したトレーナーの呼び戻しにつながった。エントリー層の増大につながるかが未知数な点もあるが、これまで封印してきた「リアル」にかじを切ったことで再び活性化したことは確かだ。次の盛り上がりに向けて、まずは順調な船出をしたといえそうだ。

[日経MJ2017年8月21日付]

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