2017年11月24日(金)

憂鬱な「誕生日メール」 顧客と機械的でない交流を
通販コンサルタント 村山らむね

コラム(ビジネス)
(1/2ページ)
2017/8/20 6:30
保存
共有
印刷
その他

 誕生日の月になると憂鬱になる。購入経験はあるが忘れてしまったような会社まで、たくさんの「お誕生月おめでとう」メールを送ってくる。記念日をフックに消費者とコミュニケーションを取ろうとする企業は多い。

クーポンや割引がついていればプレゼント気分を味わえるが…

クーポンや割引がついていればプレゼント気分を味わえるが…

 しかし、誕生月だからといって可処分所得が増えるわけではない。通常の日常だ。特に私のように大学生の娘もいるような年齢の女性で、何十もの会社から自動設定された「お誕生日おめでとう」を受け取って、うれしい人なんているのか? 私は、憂鬱を超えて、最近は腹立たしい。

 昨年もらったものと見比べて、まったく同様の文言の会社も少なくない。せめて、割引コードやクーポンがついていれば、まだ得した気分にもなろうが……。

 CRM、つまりカスタマーリレーションシップマネジメント。接点を持った消費者とのコミュニケーションに戦略をもたせ、購入率やライフタイムバリューを上げていこうという考え方はすっかり日本にも定着した。特に単品通販や総合通販の企業では、この考え方を取り入れて結果を出している企業が多い。

 最近では、MA、つまりマーケティングオートメーションという広告や宣伝も含めたコミュニケーション全てを統括したサービスが人気だ。きめ細かい顧客へのアプローチが設定できるものの、誕生日メールのように機械的な心の欠けたコミュニケーションが自動化され、消費者の気持ちと乖離(かいり)していくのではないかと、老婆心ながら不安になる。

 何を買ったか、いくらで買ったか、どんな頻度で買ったかという、購買行動ばかりを追って、一人ひとりの消費者の本当に思っていることを見失ってはいないだろうか。

 そのコミュニケーションに愛があるかを、受け取る消費者側の見方で検証しているだろうか。どのくらいの印刷物やメールマガジンを一人の消費者に送っているかを、見たことがあるか。各部署の連携をとって、一つのブランドとしてストーリーを立ててメッセージを送っているか。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報