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春秋

終戦の日と月遅れのお盆が重なるこの時期、列島は人々の鎮魂の祈りに満たされる。無謀で悲惨だった先の戦争を振り返り、犠牲者を静かに追悼する大切なひとときだが、今年は何か心がざわつく。トランプ米大統領と北朝鮮の言葉の応酬が激しさを増しているせいだ。

▼やむ気配のない北朝鮮の核やミサイルでの挑発に、トランプ氏は「世界が見たこともないような炎と怒りに直面する」と強く警告した。一方、朝鮮人民軍はミサイル4発をグアム沖に落下させる案を検討中だという。飛び道具は広島や高知など日本の3県の上空を通るらしい。我が方も万一に備えて、迎撃の態勢を整えた。

▼双方のやり取りは、字面を見るにつけて一触即発、今にも黒雲が広がり、雷鳴がとどろきそうである。兵器の高速化やハイテク化で、我が国が対応を考えるいとまもなく、事態に巻き込まれることだってあるかもしれない。リスクに敏感な株式や為替の市場も身がまえている。悪い夢にうなされて明けたような8月15日だ。

▼旧日本軍を考察した書「失敗の本質」は「情緒や空気の支配」を指摘した。科学的思考が組織のクセとならず、「必勝の信念」「戦機は熟せり」など空虚な文句が破局へ導いたという。300万人以上の犠牲を払った末の教訓だ。両国首脳に、ぜひとも耳を傾けてもらいたい。人類は退歩しているのか、と嘆かぬためにも。

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