2017年12月15日(金)

VALU、個人の価値を売買 SNSが信用経済を形成
D4DR社長 藤元健太郎

コラム(ビジネス)
(1/2ページ)
2017/8/13 6:30
保存
共有
印刷
その他

 「VALU」というサービスが一部で話題になっている。個人を株式市場のように公開して「VA」という仮想株式を同じ数だけ発行して売買するものだ。ビットコインと連動しているので売買による実利益を得ることも可能だ。筆者も実際に公開して少しだけ試しているが、本当に株式市場のようになっているので面白い。

個人の価値を株式会社の株式のように取引する(VALUのサイトの画面)

個人の価値を株式会社の株式のように取引する(VALUのサイトの画面)

 現段階ではツイッターなどでフォロワー数の多い人達の時価総額が高くなっている。やはり知名度がある人は人気で値上がり期待が生まれ、さらに流動性が高いので取引が活発になるという現象が起きている。

 ただしこのサービスが今後想定しているのはいわば「クラウドファンディング」のような使い方だ。個人のクリエーターやアイドルが自分を直接支援してくれる人に自分のVAを購入してもらい、資金調達するというような利用を念頭に置いているとみられる。

 VALUと並んでもうひとつ、この秋に開始を予定しているサービスも面白そうだ。「Timebank」という、各分野のプロフェッショナルの時間を取引するというサービスだ。人間は誰もが一日の時間は24時間よりも多く得ることはできない。このサービスも取引が活発で人気の人の時間価値が高まるということになる。

 VALUも申請して認可されないとサービスが利用できないが、TimebankもSNS(交流サイト)での影響度を算出した一定のスコアを超えていないと時間申請ができない仕組みだ。事実上フェイスブックやツイッターでの友人数やフォロワー数、投稿内容などが評価のベースになっている。つまりフェイスブックやツイッターをしていない人は、社会的に信用が高くてもこれらのネットサービス上では信用のない人になってしまうということだ。

 逆に考えると、SNSを活用できていれば、クリエーターなどが自分の作品を広め、生活していけるようになるということでもある。

 これまでの社会的信用は学歴や大企業や役所に属することや、家族の資産額などが重視されてきた。一方、これらのサービスのなかでは一人の人間がコミュニケーション能力と実力だけで社会的信用を構築し、資金調達できるようになるわけだ。これは本当の意味で個人レベルでの信用経済が生まれたということだとも受け取れる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報