2017年12月15日(金)

ドラマセット再現して提案、家具通販フライミー

コラム(ビジネス)
2017/8/12 6:30
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 「家具業界のゾゾタウンをめざす」――。こんな目標を掲げ、家具のネット通販で存在感を増しているのが、フライミー(東京都武蔵野市)だ。2万点を超えるアイテムと、テレビドラマで使われた家具の提案などで売り上げを伸ばしている。家庭向けで培ったコーディネート力を生かし、最近は法人向けも売り込みを強め始めた。

2万点以上の品ぞろえが人気を支える(フライミーのサイト)

2万点以上の品ぞろえが人気を支える(フライミーのサイト)

 フライミーは2011年設立で、12年に通販サイトを立ち上げた。家具やカーテンなどのインテリア雑貨をそろえ、ブランドは「ジャーナルスタンダードファニチャー」や「イデー」「エアウィーヴ」など約400ある。家具を中心とした通販では国内最大級をうたう。

 最近は業界内でも注目されるようになり、仕入れやすくなった。メーカーと交渉し、通販サイトでは同社しか扱っていない商品も全体の2割ある。仕入れ先との競合を避けるため、家具は定価のままで販売されている。中心価格帯はソファで10万円台、大型の収納家具で20万円前後だ。

 家具は場所を取るため、実店舗で商品を豊富にそろえるのは難しい。そこに注目し、デザイン性や機能性にこだわる消費者に狙いを定めたのが奏功した。家具は金属やガラスを用いた無機質でモダンなタイプや、使い込まれた感じのアンティーク調が売れている。また交流サイト(SNS)の投稿のため、珍しい形などで画像映えするものも若者に支持される。

 品ぞろえに加え、サイトの見せ方にも特徴がある。まずは見やすさだ。トップページの左側は「収納家具」や「テレビボード」など選びたい商品群がイラスト付きで登場する。それぞれをクリックすると、週間のアクセスランキングが表示され、売れ筋がわかる。画像の背景は白色で統一され広告もなく、シンプルなデザインだ。

 もうひとつ力を入れているのが提案力だ。色やブランドの検索はもちろんできるが、リビングやキッチン、玄関など、テレビドラマで使われた家具をまるごとコーディネートして販売している。例えば、新垣結衣さん主演の「逃げるは恥だが役に立つ」のリビングや寝室で使われた椅子や調理器具、照明などだ。サイトには「小さな巨人」など話題作のコーディネート例が並ぶ。

 同社のコーディネーターのなかには、ドラマのセットでインテリアのコーディネートを手がけているスタッフがいるためだ。「あのドラマで使われていた照明がほしい、といった指名買いをする消費者が多い」(担当者)という。

 比較的安価なアパレルとは異なり、ネットで高額のソファやベッドを買うことに抵抗を感じる人は多い。ただ使い勝手の良さはブランド名からおおむね判断できるといい、大きな障害にはならないとみている。

 実際、経済産業省の調査では家具(インテリア雑貨を含む)のネット経由の購入比率は16%と、生活家電・AV機器(28%)や書籍・映像ソフト(21%)に及ばないが、衣服・服飾雑貨(9%)を上回る。家具のネット通販の市場規模は15年が1兆2120億円と前年より5%伸びており、さらなる成長が予想されている。

 今後はオフィスやホテルなど法人向けにも力を入れる。昨年春には家具店の販売で実績のある社員ら4人で構成する法人営業チームを立ち上げた。走り始めたばかりだが、コーディネート力などが評価され、足元でも設計事務所などからの問い合わせが増えている。サイトの操作性をさらに高めるなど、販売力の底上げに向けた次の一手を探る。(角田康祐)

[日経MJ2017年8月9日付]

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