2018年4月26日(木)

クラリオンのカーナビ グーグル連携で「つながる車」

コラム(ビジネス)
2017/7/29 6:30
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 クラリオンは自社のカーナビゲーションシステムで、米グーグルの技術を活用したクラウドサービス「スマートプレイスサーチ」を5日に開始した。グーグルの検索機能を使って目的地を調べたり、「ストリートビュー」の画像を表示して目的地周辺の様子を確認したりできる。高い技術と膨大なデータを持つグーグルと組むことで、利用者の移動を支援する。

カーナビの画面にストリートビューの画像を表示

カーナビの画面にストリートビューの画像を表示

 新サービスは同社のカーナビのうち、2013~17年に発売した20モデルが対応する。利用者は特に追加の料金はかからない。

 カーナビと近距離無線通信「ブルートゥース」で接続したスマートフォン(スマホ)を経由してクラウドにつなぐ。カーナビのスマートプレイスサーチの画面で目的地を入力するとクラウドに送られ、グーグルの検索機能を使った候補が表示される仕組みだ。目的地の名称をすべて入力しなくても予測変換する機能に対応する。

 さらに検索結果を選ぶと、住所や距離などの情報とともにストリートビューの画像がカーナビに表示される。目的地の周囲を見回すように表示を切り替えることも可能だ。利用者は、最適な検索結果を表示したり、目的地周辺の様子を事前に確認したりしやすい。

 「これだけの仕組みを自社単独で構築するのは難しい」。そう話すのは、開発を主導したスマートコックピット推進室の宮沢浩久主管だ。

 一般的なカーナビの検索は定期的に更新する地図の情報を基にしている。クラリオンはグーグルと組むことでクラウドにある膨大な最新情報を利用できるようになる。地図にない最新スポットにも案内できる。

 目的地の正式な名称だけでなく、日常的に使う名称にも対応する。例えばマクドナルドは地域によって「マック」や「マクド」と呼ばれる。グーグルの検索機能であればマックやマクドで検索してもマクドナルドを表示できる。日常的に使う名称は地域や時勢で変化する。そうした名称をクラリオンだけで調べるのは限界もある。

 クラリオンは13年にグーグルと音声認識や検索の技術の活用で契約を結び、クラウド活用サービスの開発に注力してきた。13年以降に発売したカーナビはすべてクラウドとの連携が容易なウェブ標準言語「HTML5」に対応している。クラウドからサービスを提供するためハードウエアへの依存が少なく、過去の製品でも容易に機能を拡張できる利点がある。

 課題はクラウドに接続してサービスを利用するユーザーを増やすこと。特に日本ではクラウドに接続する比率が低い。まだサービスを開始したばかりだが、スマートプレイスサーチへのアクセスは数百台にとどまる。今回の新サービスを無料で提供するのも利用者を増やす狙いがある。

 カーナビ市場では今後、自動運転やコネクテッドカー(つながる車)で使うための、膨大なデータを活用した新たなサービスがクラウドを通じて提供されることが予想される。クラリオンが他社に先駆けてクラウドの活用を推進するのは、そうした将来を見据えてのことだ。

 クラリオンはクラウド活用を通じて、カーナビなどのハードウエア中心の車載機器メーカーから、車両の安心・安全に関わるソリューションを提供する「車両情報システムソリューションプロバイダー」への転身を目指していく。(河合基伸)

[日経MJ2017年7月26日付]

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