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春秋

出だしは不振だったNHKの連続テレビ小説「ひよっこ」の視聴率が、ここへきて上向いている。理由のひとつが、主人公が住むことになった古アパートの住人たちだという。漫画家の卵や毒舌家のOLなど、共同の台所で交流を深める1960年代の若者が楽しげだ。

▼脚本の岡田恵和さんはかつて自分が影響を受けた作品に、高橋留美子さんの「めぞん一刻」を挙げている。古アパート「一刻館」に住む人々の騒動と恋愛を描く名作漫画だ。「一刻館」は高橋さんが学生時代、近所に実在した面白い下宿屋を思い出しつつ創作したそうだ。70年代後半、若者の多くは、まだカネがなかった。

▼他人同士が一緒に暮らし、共に食べ、兄弟姉妹のように親しくなっていく。昔話かドラマのような出来事が、現実の日本でも再び広がっている。台所、居間、風呂は共通だが寝室は別。こうしたシェアハウスと呼ばれる共同住宅が若者の人気を集め、物件も増加中らしい。暮らしぶりは「ひよっこ」の若者たちを思わせる。

▼「起業家志望者限定」「会話は英語のみ」など、条件を決めて自分磨きにつなげるシェアハウスも登場している。親に個室を与えられ、情報機器に囲まれて育ったがゆえに、人とのぶつかりあいがちょっと苦手――。そんなところを家選びで補い、人として成長し、同時に家賃も節約する。若い世代のたくましさを感じる。

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