藤井四段の生中継、SNSで拡散しアベマTV活況
アジャイルメディア・ネットワーク取締役 徳力基彦

(2/2ページ)
2017/7/9 6:30
保存
共有
印刷
その他

それが現在では、アベマTVのようなネットテレビに加え、ユーチューブにニコニコ生放送やLINE LIVEなどのライブ配信サービスも増えたほか、最近ではフェイスブックやツイッターでもライブ中継ができる。もはや「マス」のコンテンツでなければ生中継など夢のまた夢、という時代ではない。誰でも自分のコンテンツの規模に応じて様々な生中継の手段を選択できる時代なのだ。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

テレビの生中継に対するネット生中継の1つの利点は、視聴者をソーシャルメディアから簡単に誘導できる点だろう。

ほとんどのネット生中継のサービスは、スマートフォン(スマホ)やPCでネット中継を見ている最中に、そのまま番組自体にリンクを張った状態でSNSに投稿できる。投稿を見た友人は、SNSに投稿された番組のリンクをクリックするだけで、スマホでその番組をすぐに視聴できる。

もちろんテレビ番組を見ながら感想をSNSに投稿する視聴者も多いが、テレビの場合は番組に直接リンクを張ることは現時点では難しい。友人の投稿を見てからテレビをつけて、その番組が放映されているチャンネルを探すという行為が間に入るため、投稿から番組に誘導されるまでのハードルが高い。

アベマTVの記録も、SNSで藤井四段の対局の話題が盛り上がっているのをみて生中継に誘導された人が、また自分の感想をSNSに投稿するというサイクルが回ることで、次々に視聴者が生中継に誘導されていった結果から生まれたと想像されるのだ。

そういう意味で、スマホやソーシャルメディアの普及が進むほど、ネット中継の存在感が増していくのは間違いない。藤井四段の29連勝という記録が他の棋士に抜かれることは当分ないかもしれないが、ネットテレビの視聴数の記録は次々に塗り替えられていくことになるだろう。

[日経MJ2017年7月7日付]

  • 前へ
  • 1
  • 2
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]